「いつか転職するつもり」「目標は、転職市場で価値を上げること」――20~30代は、転職意欲が高い。その一方で、転職活動が一筋縄にいかないという人も少なくない。転職後に「思っていた仕事と違う」「なんか会社の雰囲気が合わない」……などの理由で、再び転職活動に繰り出す人も。なぜ、私たちの転職は、うまくいかないのか。成功と失敗の分かれ道は何なのか。「失敗例」に学ぶ!

 Nさんは、2017年に新卒で情報サービス系の会社に就職した27歳だ。就職活動では、広告・マスコミ・印刷業界にずっと憧れがあり、一番入りたい会社へのこだわりも人一倍強かった。丁寧に企業分析をし、万全の体制で就活試験に臨んだが、「最終面接まで行ったのに、落ちてしまいました」

 「結局、広告業界で5番手くらいの会社に内定はもらえたのですが、気持ちが向かなくて。同時に、IT・情報サービス業界でトップ規模の企業からも内定が出たんです。結局、スムーズに合格をもらえたその会社に就職を決めました

「しばらくは納得いかなかったですね。やはり最終選考まで進んだので…」
「しばらくは納得いかなかったですね。やはり最終選考まで進んだので…」

 入社後、「第1志望の最終選考で落ちたことを引きずってはいましたが、すぐにそれどころではなくなりました」。営業職として入社したNさんは、持ち前の真面目さで、営業の仕事をとにかく必死に覚えた。

 「営業をかける先はすべて新規でした。ノルマがありしんどさもありましたが、これを毎日こなすとスキルが蓄積され、自分の市場価値も高まる気がしました」。そう思えたのは、入社して数カ月たったあるとき、両隣でNさんを指導してくれていた20代後半の先輩2人が転職を決めたからだ。

 Nさんは、1日約100件も新規の営業アポイントを取るハードな仕事をこなしながら、「私もいつか、先輩たちのように経験を積んで転職にチャレンジしたい!」と感じていた。

 そして、そのチャンスは、思いのほかすぐに訪れた。「毎日、営業の仕事を頑張ってはいましたが、心のどこかで『私はなぜ今ここで働いているのだろう』という気持ちがあったんですよね。就活で落ちた会社の採用情報を、定期的にチェックしていたのです」

 第1希望ではない会社に就職して約1年。Nさんは、就活で落ちた会社の中途採用募集が始まったのを見つけた。

 そこから始まった転職活動。Nさんは、この後、就活時に第1志望だった会社にリベンジ転職を果たすのだが、「こんなはずじゃなかった」と壁にぶつかってしまう。自分の理想の将来を実現するために、失敗を生かして2回目の転職に挑んだ方法とは? 次の転職で失敗しないためにNさんが書いた転職ノートの中身も公開する。