6月前半特集は「女性管理職137人が伝授! 管理職になっても困らない仕事術」。「女性は管理職になりたがらない」とはよく耳にしますが、今回は管理職経験のある女性たちにアンケートを実施。「これを知っておけば、管理職も怖くない!」と背中を押してくれる内容です。

37歳でポーラの埼玉エリアマネージャーになり、その後、順調に職位を上げ、2020年からは社長を務める及川美紀さん。及川さんに管理職になってよかったことを聞きました。

管理職になって忙しくなるとは限らない

ポーラ社長・及川美紀さん
ポーラ社長・及川美紀さん

 管理職になってよかったことですか? たくさんありますよ。第一に、責任の範囲が広がって、仕事の質が上がったことですね。

 「管理職になると仕事量が増えて、忙しくなるんですよね?」と、社員から相談されることもよくあるのですが、「そうとも限らないよ」と答えています。なぜなら、管理職になったら、それまでのように仕事を自分一人でこなすのではなく、チームで担うことができるようになるからです。例えば、上司から何か仕事を振られたときも、その仕事を自分でやるだけでなく、自分よりも短時間で上手にできる他の誰かにお任せすることもできます。

 言われた仕事を実践しなくてもいい場合もあります。自分の判断で会社やチームのためになると思えたらやるべきですし、やり方を変えたほうがいいと思ったら変えることもできる。やらなくてもいいと感じたら、やらないという判断もありだと思います。

 マネジメント・スキルさえ身に付ければ、自分の時間を増やすことも可能です。ミーティングの日時を自分で決められる機会も増えますしね。

 ただ、「管理職になって、楽になるか?」と聞かれれば、楽にはならない、というのが正直な答えです。責任は増えますから、楽ではない。はっきり言って、大変さはあります。でも、みんなで力を合わせて目標を達成したり、何かを成し遂げたりしたときの達成感は、その大変さをはるかに上回ります