ライフイベントを前に働く私たちの、頭の片隅にある「産むなら、いつ産む?」問題。自分らしく産む、働くを実践している先輩たちに、それぞれの正解を探すためのヒントを聞きました。

「いつ産む・どう働く」第4回は、一定のキャリアを積んでから30代で産んだ2人の女性のストーリーを紹介します。それまでの人生経験が仕事と子育ての両立で生かせる局面がある一方、子育てと介護が重なる「ダブルケア」に直面することも。2人の経験談から学べるノウハウは?

 専門分野の経験を積み、転職や起業でキャリアの方向性をある程度見きわめた30代。

 キャリアで一定の実績を積んでからの出産には、それまでの経験が生み出す余裕があるような気がします。「今は自分の時間はゼロだけど、そういう時期は長くは続かないからあまり気にならない」と自分の状況を俯瞰して語る女性の言葉が象徴的でした。

 一方では、両親の介護などに直面することが増えてくる年齢です。「いざとなればできることはたくさんある。他人に助けてもらうスキルを身に付けることが一番大事」とは現場で聞いた言葉。「助けを求めるスキル」は年齢にかかわらず、身に付ける必要があるようです。

 今回登場するのは、営業でキャリアを積みたいと転職、35歳で出産して復職した女性と、37歳で起業して出産、41歳で実父の介護を経験した女性です。

CASE 1・須藤さん
・35歳で第一子出産
・内勤から営業に転換、出産前に営業実績を積むために転職
CASE 2・田尻さん
・37歳で第一子出産
・37歳で起業。41歳で実父の介護と、3児の子育てを経験