ライフイベントを前に働く私たちの、頭の片隅にある「産むなら、いつ産む?」問題。自分らしく産む、働くを実践している先輩たちに、それぞれの正解を探すためのヒントを聞きました。

今すぐではなくても気になるのが、働きながら妊娠するってどういうことなのか。フリーで活動する助産師、小笠原千恵さんに妊娠中の経過と留意することを聞きました。

 妊娠中から出産時、そして産後のさまざまな母子のケアが助産師の仕事。小笠原千恵さんは国立病院の総合周産期医療センターに勤務した後に独立。主に出産後の女性と赤ちゃんを訪問するスタイルで健康相談や指導を行っています。妊娠の初期から後期までに起こることや、働きながらの妊娠で注意することを教えてもらいました。

 最初に、妊娠期間の数え方について確認しておきましょう。よく「妊娠○カ月」とか「妊娠○週」といいますが、妊娠中は「週数」で数えるほうが一般的。「最終の生理が始まった日」を0週0日とし、この2週間後、つまり2週0日に排卵があったと想定、また生理周期は28日と想定して数えるので、次の生理の予定日は4週0日になります。

 月数で数える場合は、ひと月を4週(28日)として数えるので、妊娠1カ月は0週~3週、妊娠2カ月は4週~7週……に相当します。つまり妊娠1カ月といってもその前半はまだ妊娠しておらず、生理予定日に生理が来なくてすぐに妊娠に気付いたとすると既に妊娠4週め(妊娠2カ月)に入っています。

 出産予定日は妊娠40週0日(最終生理の開始日から280日)の日を指します。出産予定日を挟んだ妊娠37週から42週未満での出産を「正期産」、それ以前(妊娠22週~37週未満)に生まれると「早産」、妊娠22週未満で妊娠が中断してしまうことを「流産」としています。

 次ページから、初期・中期・後期と、妊娠の段階ごとに「起こること」「備えること」を順に聞いていきます。