コロナ禍でキャリアに不安を覚えたり、気持ちが晴れない人も多いはず。 そんな焦りや不安にどう対処すればいいか専門家や経験者に話を聞きました。

東京都で感染者が再び増える気配があるなど再拡大の懸念は消えず、新型コロナウイルスの第2波、第3波への不安が残る。しかし、確かな知識を持って予防対策と備えをしておくことで、漠然とした不安が軽減され、落ち着いて毎日を過ごせるはず。前回に引き続き、東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科教授で日本感染症学会専門医の寺嶋毅さんから、新型コロナウイルスの具体的な症状や感染が不安なときの対処法を聞いていく。

■感染予防の知識と日常生活で気をつけるポイントについての記事は
第2波不安に負けない夏の過ごし方 感染症専門医・寺嶋毅

初期症状は風邪やインフルエンザと酷似

 新型コロナウイルスの症状について、厚労省HPでは、「発熱や喉の痛み、せきが長引くことが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多いことが特徴。感染から発症までの潜伏期間は1日から12.5日(多くは5日から6日)」と説明している。

 「代表的な症状は、発熱とせき、息切れ。症状が1週間程度続き、インフルエンザや風邪よりも罹患(りかん)期間が長いのが特徴の一つですが、初期症状がインフルエンザや風邪と酷似しており見分けるのは困難です」と寺嶋さんは解説する。高齢者や持病を持つ人は重症化するリスクが高いが、多くの感染者は軽度から中度の症状で、若い女性で重症化している人は少ないと寺嶋さん。「万が一新型コロナウイルスに感染した場合、ほかの人に感染させてしまう心配もあるので、発熱などの風邪症状がある場合は仕事を休み、外出を控えましょう」

<新型コロナウイルスの主な初期症状>
熱/せき/息切れ/呼吸困難/悪寒/全身の痛み/たん/喉の痛み/頭痛/下痢/吐き気/嘔吐(おうと)/鼻水/味覚・嗅覚異常 など

 味を感じなかったり、においの感覚が低下したりするなど、味覚・嗅覚障害の報告も増加。強い症状を感じたり、軽い風邪の症状が続いたりしている場合は、まず、かかりつけ医や新型コロナの受診相談窓口で電話相談を。「感染したかもしれない」と不安に思う場合でも、新型コロナコールセンターで相談を受け付けている。

新型コロナウイルスが心配なときの窓口 ※東京都の場合

 次からは、検査体制の現状やもしもの備え、第2波・第3波の展望について紹介する。

もしもに備えて 行動メモの書き方例