人生このままでいいのか…漠然とした不満を抱いている人は少なくないのでは?それならいっそのこと人生を「劇的に変化」させてみては?人生を変化させた5人のケースから、何をすればいいのか、そして何をやめればいいのかを探ります。

大手金融機関でファイナンシャルプランナーの資格を生かしながら、ライフプランの提案をしている齋藤高穂さん(34歳)。新卒で大手証券会社の営業職として入社し、活躍していたが、出産を機に事務職に転職。しかし、「希望の仕事に就けなくなってしまった」と自暴自棄に。そこから、副業に挑戦し、それを機に転職。年収も大幅アップさせ、理想の働き方を実現した。そんな齋藤さんの人生が変わるまでに実践したこととやめたことを教えてもらった。

出産後やりがいを見失った

 「就活のときに何か資格を持つべきだと思い、ファイナンシャルプランナー(FP)の勉強をしました。勉強していくうちに『生きてくためにこんなに大事なお金のことを学校では全然教えてもらえなかった。日本中の人に知らせないといけない』と感じ、就職先は金融機関に決定。その中でFPの資格を生かせて、資産運用や株などをお客さんに提案できる証券会社の営業職が一番適していると思ったんです」

 そして、大手証券会社に就職し、埼玉県の大宮支店に営業職として、配属された。

 「新規顧客の開拓を任されたので、どうしたらお客さんを開拓できますかと先輩に聞き回りました。『ダイレクトメール(DM)、テレアポ、訪問の3つ。とにかく数をこなせ』と言われたので、午前中はインカムマイクを付けて100件のテレアポをしながら、空いた手でDMを作成。午後は電話でアポが取れたお客さんのところに行ったり、飛び込み営業をしたりしました」

 がむしゃらに働き、入社2年目で社長賞を受賞。そして3年目の27歳のとき、同じ職場の1つ上の男性と結婚し、まもなく妊娠が分かった。

 「産休・育休を経て、営業職ではなく、窓口業務で復帰しました。営業職の人が休んだ場合、すぐに営業職には戻らずに期間限定で窓口業務に当たって、慣れてきたら戻るという会社の慣習がありました。でも、子育てしながら営業職で働いている女性の先輩を見ていると、仕事に専念するために子育てを親に丸投げしていたり、時短勤務にして自分で子育てをしたりしているけれど、『時短だからと甘えるな』と上司に責められていたり……。とても私にはできないと思いました。子育てを誰かに丸投げしたくない。ただ、だからといって仕事でストレスを抱えたまま子どもと向き合うこともしたくなかったんです。この会社では働けないと思い、復職後すぐに転職活動を始めました」

 そして29歳のときに別の証券会社の事務職として働き始めた齋藤さん。

「キャリアが終わってしまった」

 「事務職は、完全に土日休みで、定時で帰れる。営業部門のように数字で追い詰められないので、子育てしやすいと思って転職しました。でも、この会社の事務職は、いかにミスを防ぐかが求められ、失敗してもチャレンジしたいという気質の私には向いていなかった。やりがいを感じられず、子育てのために自分のキャリアが終わってしまったと感じてしまったんです。

 子どものことも全然かわいいと思えず、とにかく育てなくてはという思いだけ。夫にもイライラをぶつけていました。自分の思うように残業をして、飲み会にも行っている夫を憎む気持ちすらありました」

 「家族のために自分の人生をささげていることに『私の人生こんなはずじゃない』という怒りを感じて、まず何かしなくてはいけないと思いました」

 自分の人生を取り戻すために行動し始めた齋藤さん。次ページから詳しくお届けします。