長いキャリア人生の中で自分が思い描いたようなプランを進めるためには時には自分にお金と時間をかけることが必要です。今回の特集では具体的な自己投資の方法のほか、実際に自分に投資をすることによってキャリアを開拓した女性たちを紹介します。

「元上司が自分の部下に」がMBAを学ぶきっかけ

 現在、スタートアップ企業のサラダボウル専門店WithGreenで、人事部の責任者として働く勝木こころさん。現場における販売員の教育から人事システムの構築、人材開発などを一手に引き受け、人事部門の要として活躍中だ。

 勝木さんは、大学卒業後、新卒から約15年間外資系大手コーヒー企業に勤務。実家がケーキ店を営んでおり、自然に飲食業界に興味を持ったそうだ。コーヒー企業では、店長職、店舗マネージャーを経て、本社人事採用部に異動。その後グロービス経営大学院で学び、36歳のときにMBA(経営学修士)を取得した。

 その後、学びを実務に生かし、会社にとって新たな試みとなる組織開発部門に異動し、社内の部署同士のリレーション強化に注力。キャリアを磨きつつ、年収120万円アップをかなえるなど、大きな成果を上げることができた。

 「最初からMBAを取得しようとは考えていなかった」と言う勝木さんは、MBAを学んだ理由についてこう話す。

 「店舗マネージャー時代、約30人のスタッフをマネジメントしていました。そのときに、詳しい理由は分かりませんが本部の元上司が、私の部下として店舗に配属されたんです。私よりも社歴が長く尊敬していた方だったので驚くと同時に、どうやってマネジメントしたらいいのだろうと悩んでしまいました。元上司も『ここからまたステップアップしていきたい』と意欲的だったので、私ももっと成長しなければ、この人のキャリアをサポートできないと思ったんです」

 そこで勝木さんは何かビジネスに役立つ学びを……と考え、リサーチを開始。本部の上司がマネジメント関連のスクールに通っていることを知り、ビジネススクールに興味を持った。