働く女性を対象に人間関係に関するアンケート調査を実施したところ8割以上の女性が「人間関係に悩みがある・過去にあった」と回答しました。職場での人間関係は仕事へのモチベーションだけでなく、自分の健康をも脅かす大きな問題です。そんな人間関係のトラブルを避け、快適な毎日を送るためのノウハウをご紹介します。
前編 職場の人間関係に悩む人は8割 やるべき&ダメな対処法は ←今回はここ
後編 気分屋上司にマウント気質の同僚・・・振り回されない方法
人間関係に関するアンケート
◆対象:働く女性
◆期間:2022年6月1日~6月30日
◆回答者:合計105人。年齢は20~50代

人間関係に悩みがあるorあった人は85%

 日経xwoman doorsでは2022年6月1日~30日の間、職場の人間関係に関するアンケート調査を実施しました。そのアンケートで「あなたは職場の人間関係に悩みがありますか? または過去に悩みがありましたか?」と聞くと、「ある」が39人(37.1%)、「過去にあった」が50人(47.6%)という結果に。約85%の人が人間関係で悩んでいるといえます。

 具体的に悩んでいる相手については、「年上の男性の上司」が45人(42.9%)。続いて「年上の女性の上司」が42人(40.0%)と、80%以上の人が年上の上司との関係に悩んでいることが分かりました。

 そして、これらの人間関係の悩みは、心身へのダメージにつながったり、キャリアプランの変更を生じさせたりと、深刻な影響をもたらしていることが分かりました。「職場の人間関係に悩みがある、悩みがあったと回答した方は、その悩みによって心身に影響が出ましたか?」の問いには「はい」が53人(50.5%)と、半数以上が影響が出たと回答。

 また、「職場の人間関係に悩みがある、悩みがあったと回答した方はキャリアプランに変更が生じましたか?」という設問には33人(31.4%)が「変更した」と回答しました。職場の人間関係の悩みは大きなストレスとなり、キャリアプランに影響を及ぼしたり、心身へのダメージにまでつながっていたりいます

 アンケートでは、具体的な悩みについても回答してもらいました。そこには、「上司が特定の人にだけ当たりが強い」「上司が感情的に怒る」などリアルで、深刻な内容も。そこで、精神科医の井上智介さんに対処法を教えてもらいました。

井上智介
産業医・精神科医・健診医 島根大学医学部卒。産業医として、毎月約40社を訪問。これまでに1万人以上の心の悩みと向き合ってきた。精神科医・健診医としての経験も生かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。今後、予防医療がさらに発展する時代へとシフトすることを想定し、健診医として重大疾患の予防にも取り組んでいる。


 次から、井上さんのアドバイスを詳しくお伝えします。