働く女性を対象に人間関係に関するアンケート調査を実施したところ8割以上の女性が「人間関係に悩みがある・過去にあった」と回答しました。職場での人間関係は仕事へのモチベーションだけでなく、自分の健康をも脅かす大きな問題です。そんな人間関係のトラブルを避け、快適な毎日を送るためのノウハウをご紹介します。

前編「診断テストで4タイプに分類 苦手な人のトリセツ」では、ソーシャルスタイル理論に基づいたチェック方法で、4つのタイプに分類。タイプごとの特徴を紹介した。後編では、メール、チャット、オンライン会議のシチュエーションごとに、4タイプの攻略法をお伝えする。苦手な相手の「トリセツ」としてタイプごとに戦略を立てれば、もっとラクにコミュニケーションが取れるようになるはずだ。まずは前編で、苦手な相手と自分のタイプをチェックしてみよう。

【前編】 診断テストで4タイプに分類 苦手な人のトリセツ
【後編】 会議やメールで使える 4タイプ別 苦手な上司攻略法 ←今回はここ

コツは相手のソーシャルスタイルに合わせること

 キャリアコンサルタントとして活躍するシーウインプロ代表の斉藤由美子さんは、ソーシャルスタイル理論を用いたコミュニケーションの取り方について、次のように話す。

斉藤由美子さん
斉藤由美子さん
シーウインプロ代表/ふくキャリスクール主宰/キャリアコンサルタント/CPCCプロコーチ

 「人はコミュニケーションを自分の得意な部分を使って進めがちです。例えば、自分がエクスプレッシブ(感覚派)タイプで、苦手な上司がドライバー(行動派)タイプだった場合。

 会議前に場の空気を和ませようと『課長、今日のネクタイの柄すてきですね』と話しかけるも、上司は『そう?』と素っ気ない返事で、さっさと会議を進めていく。そのとき、上司に対して『冷たい人だな』と感じるかもしれません。なぜなら、コミュニケーションの齟齬(そご)が起きているからです。

 エクスプレッシブ(感覚派)は、褒められたり、おだてられたりするとうれしく感じるタイプ。一方でドライバー(行動派)タイプは、仕事に関係のない話は無駄話と思っている。先ほどのやり取りでは、『自分が言われたらうれしい話』を相手に押し付けてしまっているんですね。

 ここで重要なのは、自分の得意なコミュニケーションスタイルを相手に届けようとしないこと。タイプの違う相手は、それを受け取れません。苦手な相手には、その人のタイプに沿ったコミュニケーションの取り方をしてみると、スムーズに進むのです」

 「この人は合わないな」「この上司は苦手だな」と感じるのは、自分と異なるソーシャルスタイルだから。それを知った上で相手のスタイルに寄り添うことができれば、コミュニケーションはもっと上手くいくはずだ。

 続いて4つのタイプ別に分けた上司の攻略法と、「メール」「チャット」「オンライン会議」のシチュエーション別対処法を見ていこう。

※ここで使用する「タイプ」とは、コミュニケーション上の「タイプ」を指します。