働く女性を対象に人間関係に関するアンケート調査を実施したところ8割以上の女性が「人間関係に悩みがある・過去にあった」と回答しました。職場での人間関係は仕事へのモチベーションだけでなく、自分の健康をも脅かす大きな問題です。そんな人間関係のトラブルを避け、快適な毎日を送るためのノウハウをご紹介します。

IT企業で武海夢(たけ・みむ)さん(31)は20代のとき、上司からパワハラを受けていました。「当時はパワハラ被害の自覚がなく、『仕事のできない自分が悪い』と自分を責めていた」と話す武さん。その苦しみから抜け出せたのは、心理学との出合いが大きかったと話します。人間関係につまずいたときの対処法を、心理学の目線で自身の経験を踏まえながら教えてもらいました。

朝から晩まで上司から叱責される

 IT企業のグロースマーケティング部門でマーケターとして働いている武海夢さんは27歳のとき、働いていた職場の人間関係に悩みメンタル不調に陥りました。30代の男性上司から約半年にわたり、パワハラを受けていたのです。

 「朝から晩まで2人きりで会議室に缶詰めにされ、叱責を受けることから始まりました」

 上司からの嫌がらせは半年ほど続き、ついに精神的に耐えられなくなった武さんは、周囲の人たちに相談することに。そのとき、ようやく上司がパワハラを行っていたと気づきました。しかし、事実確認に時間を要したため、すぐに上司と距離を取ることはできませんでした。

 自分の身は自分で守るしかない。武さんは心理カウンセリングを受診したり、自身も心理学を学んだりして、自分の思考や行動の改善に努めました。その結果、自分の置かれている状況を俯瞰(ふかん)して見られるようになり、「同じようなことがあっても、自信を持って対処できる」と思えるようになったといいます。心理学を生かし、職場の人間関係の悩みから身を守る方法を教えてもらいました。