コロナによって世の中が大きく変わり、求められるスキルも様変わりしている。これまで誰も経験したことがないwithコロナ時代を生き抜くために必要なスキルを各界のリーダーたちに聞いた。

新型コロナウイルス感染症により仕事環境や働き方が大きく変わり、これからどのようにキャリアを積んでいけばいいのか、不安を感じている人も少なくないだろう。終身雇用制度も崩壊しつつある中、生き抜くために必要なスキルとは? withコロナの時代を生き抜くために本当に必要なスキルをジャーナリストの池上彰さんに聞いた。

「景気は当分回復しない」を軸にアクションを逆算

 「私の仕事、3年後にはなくなるかも……」。キャリア上の転身やリスクについて考えたことはあっても、自分の意思決定とは別の要因で、「数年後に今の仕事がなくなる危機感」を、これほど切実に感じたことがあっただろうか。コロナ禍による経済的打撃から最悪の事態を考えるうちに、収入減、リストラ、倒産……など不安の負のループにはまってしまいそう。ネガティブな思考スパイラルから抜け出すために、まずどこから手をつければいいのか。

 「不安の正体を突き詰めると、その根底にあるのは、この先どうなるか分からないということ。良くなるのか、それとももっと悪くなるのかと、先が読めないことが不安なんです。不安は漠然としたままにしておくのではなく、『景気は当分回復しない』と腹をくくった上で、じゃあ私は何をしたらいいかを考えたほうがいいんじゃないかと思います」とアドバイスをする池上さん。漠然とした不安から思考停止気味になっている人も、まず立ち位置を定めることで、今後の自分に必要なアクションが具体的に見えてくると言う。

 「例えば、英会話教室は対面授業がなくなったことで、多くの教室がオンライン授業に切り替え、かなり安い料金で英語を習うことができます。テレワーク中の人は通勤時間分の時間を捻出できますし、スクールに通うための時間も必要ない分、以前よりも仕事との両立がしやすいはずです。さまざまなスキルがオンラインで、これまでよりも安価に身に付けられる今はチャンス。将来本当にあるかどうか分からない不安要素について考えることに時間を費やすのではなく、苦境でも生き抜くために、時間は自分の能力を高めることに使いましょう」

「景気は当分回復しないと腹をくくった上で、できることにチャレンジしよう」と池上彰さん
「景気は当分回復しないと腹をくくった上で、できることにチャレンジしよう」と池上彰さん

 次からは、doors世代に身近な範囲で身に付けられるスキルや、キャリアの荒波を生き抜く力を身に付ける時間の使い方について池上さんのアドバイスを紹介する。

<池上彰さん流 キャリアの荒波を生き抜くスキル>1 あらゆるオンラインツールの使い方を、○○も兼ねて習得/2 自分ならではの○○で存在感を発揮/3 スキルがある人は、○○の問題に注意/4 失業から生まれる3割の○○に注目/5 不便や悩みを発想の源に○○をシミュレーションする