コロナによって世の中が大きく変わり、求められるスキルも様変わりしている。これまで誰も経験したことがないwithコロナ時代を生き抜くために必要なスキルを各界のリーダーたちに聞いた。

20代から30代にかけて3度の転職を経験した後、独立。その幅広い知見と経験、スキルを強みに、現在も経済評論家、会社経営者、大学客員教授など多彩な分野で活躍する勝間和代さん。今回は、さまざまな変化と経験をすべて学びに変え、よりパワフルに進化を続ける勝間さんに、withコロナ時代を乗り越えるスキルの身に付け方についてアドバイスをもらった。

組織が傾いたとき、身軽に逃げ出せる準備が必要

 日経doors編集部が今年6月、20代・30代の働く女性約30人に「コロナ禍以降の仕事の悩み」を聞き取り調査していく中で、以下のような会社存続への不安やキャリアプランの描きにくさ、スキル不足への懸念の声が複数寄せられた。

漠然とした不安が大き過ぎて、自分のキャリアプランを想像することができません。世の中が変わろうとしているときに、会社全体としてその変化についていけるかどうか不安(正社員、教育サービス、24歳)

どんな環境下でも稼ぐスキルが今の自分にはないと感じている(正社員、電気通信事業、23歳)

正社員登用の可能性ありということで入社したが、会社の業績が落ち込む一方で登用されないのでは……と感じている。契約切りにあうのではないかという不安もある(契約社員、サービス業、28歳)

周りの先輩のようなスキルが身に付けられるか不安。本来の経験が積めないので、年次が進むにつれて、この差を埋めるのが大変になる気がする(正社員、営業職、22歳)

 コロナ禍に限らず、今後も自然災害や予測不能な事態が十分に起こり得る世の中。終身雇用が崩れ、企業が社員の人生を保障することができなくなってきた今、長期的視野でキャリアを生き抜く上で、これまで以上に求められることとは何だろうか。

 「まず大事なのは『組織は当てにならない』という前提で生きることです」ときっぱり言う勝間さん。

 「白亜紀末から新生代にかけて、なぜ恐竜が滅んだのか――。当時、地球では激しい気温変化が起こり食料不足に。大きな体を持ち最強だった恐竜たちはたくさんの食料が必要で、気候や環境の変化のスピードについていけず絶滅しました。一方、恐竜の影におびえながら過酷な環境に適応するしかなかったほ乳類は、体が小さく栄養の吸収効率がいい複雑な器官を持ち、わずかな食べ物で命をつなげたから生き残りました。長きにわたって続く極端な環境の変化の中で、絶滅したものと生き残ったものの違いはなぜ起こったのか? 状況が日々変化するコロナ禍後の世の中を考えることは、それに近いと思います」

経済評論家の勝間和代さん
経済評論家の勝間和代さん

 「変化の少ない安定した時代には、大きいほうが有利なんです。でも、大きいからこそ変化には弱い。これからの時代は、変化に対していかに柔軟に対応できるかということがとても大切です」

 内閣府が実施したインターネット調査「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活意識や行動の変化」(2020年5月25日~6月5日実施、1万128人の男女が回答)によると、テレワークを経験した人は就業者の34.6%。東京23区内では55.5%に上り、新しい働き方が一気に広がった。

 「緊急事態宣言後、多くの会社がテレワークへと切り替わりましたが、テレワークの働き方が進んでいなかった大企業は、形式上は導入していても通信環境や自宅の作業環境、セキュリティーなど環境面の課題に対応するのが大変でした。一方、テレワーク制度を既に導入していたベンチャー企業やIT企業は身軽で、社員の多くが早い段階から在宅勤務に切り替え、社員の安全を守りつつ事業が継続できたという状況もたくさんありました。この先、変化が著しい状況は加速する一方。組織に所属していても依存はせず、小回りが利く働き方をしたほうがいいでしょう。組織が傾いたときには、フットワーク軽く逃げ出せる準備が今から必要です

 人生100年時代、これから長く続くキャリアの道を見据えて、今からどのようなスキルを身に付けておくといいのか。次からさらに詳しく聞いていく。

<勝間さん流 変化に強いスキルを身に付ける10の秘けつ>1 伸ばしたいスキルの条件は「○○」「○○」「○○」/2 ○○スキルを1つか2つ持っておく/3 コミュニケーションスキルは、話すだけでなく、○○能力が大事/4 お金になる5つのスキル「○○」「○○」「○○」「○○」「○○」/5 論理的思考力が鍛えられ、コミュニケーション力も育める○○を学ぶ/6 ○○の時間と労力を仕事に使い、○○はスキルを磨く時間に充てる/7 ○○を活用、見比べることで目を養う/8 早いうちから○○をつけておく/9 オンライン上のマネジメントのコツは「○○」/10 逆境も「○○」と捉えて前に進んでいく