コロナによって世の中が大きく変わり、求められるスキルも様変わりしている。これまで誰も経験したことがないwithコロナ時代を生き抜くために必要なスキルを各界のリーダーたちに聞いた。

コロナ禍で、リモートワークや時差出勤を初めて本格導入した職場は多いと思います。ソフトウエア開発のサイボウズはその流れに先駆けて、2010年から在宅勤務をスタートさせるなど働き方改革の先陣を切ってきました。社長の青野慶久さんは、コロナショックが私たちの働き方やキャリア観に与える影響を、どのようにみているのでしょうか。将来へのモヤモヤが募ったときに効く、キャリアプランの整理シートも公開します!

改革のきっかけは高過ぎた離職率

 今でこそ、多様な働き方を実践している企業として知られるサイボウズですが、2005年ごろは高い離職率に悩んでいたといいます。ベンチャー企業の成長フェーズ真っただ中だった当時の同社は、長時間労働が当たり前。辞めていく人たちが口にする理由はさまざまでしたが、共通の背景として「働き方の選択肢」が少ないことがあるのではないか――。そんな反省を基に、2010年には在宅勤務制度をスタート。2013年には9通りもの働き方から自分に合うスタイルを選べる「選択型人事制度」を導入しました。

 取り組みの結果、一時28%まで達していた離職率は4%以下に激減。さらに2018年には、選択型人事制度に代わる、新たな「働き方宣言制度」の運用を始めました。

 この制度の下では、会社側ではなく社員自らが働く時間や場所のルールを「宣言」。例えば「副業のために週4日勤務」「満員電車を避けるために10時出社」など、一人ひとりの希望によってさまざまな働き方が認められています。「どれだけ会社にいるか」ではなく、「チームへの貢献度」で社員を評価する気風が定着しているのです。

 早くからこうした体制を取っていたおかげで、2011年の東日本大震災の際も、大きな混乱を来すことなく事業を継続できたと話す青野さん。それにもかかわらず、今回のコロナショックでは「まだまだ本質的な意味での改革が不十分だったと気付いた」といいます。一体どういうことなのでしょうか。

その答えと、「会議の風景がどのように変わったか」は次ページ以降でチェック!
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