主要企業の5割が副業を解禁し、政府も推進。日経doors読者アンケートでは、98%が副業に「興味あり」、66%が「副業している知人がいる」と回答。実例取材を基に副業との付き合い方を探ります。ベストな副業スタイルの探し方がここに。

この特集でいうところの社員の「両立型副業」を全面的に支援する企業の代表格、サイボウズ。社員の副業を知り尽くす人事本部のお二人に、制度の歴史や実態、使われ方などを詳しく聞きました。そのビックリするほど先進的な、サイボウズならではの「3つの常識」とは?

 サイボウズは、グループウエア「サイボウズ Office」シリーズ等を手掛けるソフトウエア開発会社。社員数約800人の東証1部上場企業ながら、「育休は最大6年取得可能」や、リモートワークや子連れ出勤制度を取り入れるなど、積極的に社員の労働環境の向上に取り組んでいます。

 その実績が功を奏し、働きがいのある会社研究所が発表する2019年版日本における「働きがいのある会社」中規模部門ランキングでは2位にランクイン。「社員の働きやすさを一番に考えている会社」として、幾度となくメディアに取り上げられています。

 社員の副業も、働き方改革が叫ばれる前の2012年から許可。2019年8月までの間に80人以上が副業を申請しています。

 しかし実際、副業の推奨は、働きすぎによる健康被害や副業先への転職、本業に支障をきたすなどのリスクにつながる場合も否めません。サイボウズでは、社員の副業をどのように捉えて、制度化しているのでしょうか。人事本部・人事労務部・部長の恩田志保さんと人事本部・人事労務部の野間美賀子さんに聞きました。

左から人事本部・人事労務部・部長の恩田志保さんと人事本部・人事労務部の野間美賀子さん
左から人事本部・人事労務部・部長の恩田志保さんと人事本部・人事労務部の野間美賀子さん

 「実はサイボウズはもともと、副業禁止の企業でした」