新卒で年収240万円のホームセンターに就職したワケ

 「将来、お金をたくさん稼ぎたいという欲求があったので、新人でも成果次第でのし上がれる環境に身を置きたかったんです。だから制約やライバルの多い大手企業ではなく、自由度の高いホームセンターを選びました」

 入社して1カ月ほどはレジ打ちや在庫整理など、アルバイトと変わらない業務に当たっていましたが、社長に「もっと仕事をください」と直談判し、新卒採用の責任者を任されました。その採用活動で注力したのは、求人広告や採用イベントではなくブログの運営。

 「短大生時代に『元オタクがハーレムにいたらどうなるか』というブログを書いていたんです(笑)。というのも、僕が入ったのは、もと女子短大。僕が入学した年が共学化の初年度でした。学生約600人のうち男性はたった3人でした。

 短大に入るまでインターネットばかりしていて、女性との接点があまりなかったので、環境のギャップに引きがあると思い、ブログを始めたんです。このブログは月間PVが10万ほどあったため、ブログ運営には自信がありました。だから、ホームセンターでもブログを駆使して採用活動することにしました」

 入社して4カ月後に始めたブログには、単に求人情報を載せるのではなく、エントリーシートの書き方や面接の極意など、就活生に役立つノウハウ記事を掲載。人気に火が付き、「Yahoo!ニュース」でも取り上げられるようになったそう。このブログが大手人材広告会社の目に留まり、開始から1年半後に売却されることになりました。それに伴い、motoさんも買収先の企業へ営業担当として転職。年収は330万円にアップします。

度重なる○○が「副業のネタ」に

 「転職した大手人材広告会社では初めての業務ばかりでしたが、仕事がデキる人の真似をして働き方を覚えました」と言うmotoさんは、転職後も手腕を発揮します。約1年後に、競合先のリクルートにヘッドハンティングされ、2度目の転職に成功。リクルートでの年収は540万円に。

 「リクルートでは営業担当として比較的自由にやらせてもらいました。でも、『リクルート』という看板の力が強くて、途中から評価されているのが自分なのか、会社なのか分からなくなってしまったんですよね。自分の市場価値を知るために転職し、のちに楽天に買収されたスタートアップ企業を経て、現在在籍しているベンチャー企業に至ります」

 そして、現在の本業による年収は1250万円。「でも、ベンチャー企業は大手に比べて不安定なので、収入を担保するために副業を始めました」

 副業を成功に導いたのは、自らの転職経験でした。