それでも、会社員という本業は手放さない

「motoさんにとって副業とは?」と尋ねると、 「自分を試す機会」と即答
「motoさんにとって副業とは?」と尋ねると、 「自分を試す機会」と即答

 「さらに年収を上げるなら、独立して副業をメイン事業にしたほうがいいのでは」と思って聞いてみると、motoさんはこれからも本業を持ちながら副業を続けると言います。

 「理由は大きく2つあります。1つ目は、会社で必要な能力と副業で稼ぐ能力は全く違うということです。会社員として求められている社会性は、副業では培うことができない貴重なスキルです。

 2つ目は、インパクトの違いです。組織で動くほうが、大きくて社会に対してインパクトがあるプロジェクトに携わることができます

 さらに本業の業務が、副業のヒントになることもあります。

 「例えば、本業の業務で何か実践して成果につながったことがあれば、それがブログのネタになります。サラリーマンには、同じ悩みを持っている人はたくさんいるはず。実際に体験した『裏切らない内容』だからこそ、ブログの記事も高く評価してもらえているんです」

副業だからこそ、気を付けていること

 副業年収4000万円の裏には、実体験に基づく質の高いナレッジのアウトプットがある。ということは、一般の会社員にも真似できる余地はあります。

 「みんな自分の仕事に価値があると気づいていないだけだと思います。例えば、営業の成績が上がったり、会社で表彰されたりしたとき、そこには何かしら自分ならではのノウハウがあるはず。それを言語化してみることが副業の第一歩です」

 最後に、副業をする上で気を付けておきたいことを聞きました。

(1)自分に向いていない副業はしないほうがいい

 「トレンドの職種だとしても、自分に向いていないなら、やめたほうがいいです。副業がうまくいかないと本業にも影響が出て、負のスパイラルに陥ってしまいます。僕は、転職という好きな分野だからここまで続けられているのだと思います」

(2)副業も仕事だという意識を持つ

 「副業はどうしても甘えが出て、本業より手を抜いてしまうケースが多いと思うんです。でも、副業でも仕事であることには変わりありません。ここは自分に厳しくなるべきだと思います。僕の場合は、強欲にお金を稼ぎたいという意志が強いモチベーションになっています」

取材・文/橋本 岬 撮影/窪徳健作