転職や新たな人脈作り、副業などでSNSの活用は不可欠。可能性を大きく広げてくれるツールとなっています。より効果的で新しいSNSの使い方をご紹介します。

「炎上が怖いから、仕事ではSNSを使わない」という人も多いのではないでしょうか。しかし、SNS事情に精通する、noteプロデューサーでブロガーの徳力基彦さんは「このコロナ禍において、組織に属するビジネスパーソンこそ、発信しないともったいない」と話します。SNSをキャリアアップに生かすために発信の仕方や炎上対策について教えてもらいました。

徳力基彦(とくりき・もとひこ)
note株式会社 noteプロデューサー/ブロガー

1972年生まれ。NTTやIT系コンサルティングファームなどを経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。社長や取締役CMO(最高マーケティング責任者)を歴任。現在はnoteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるnoteやSNS活用のサポートを行う。個人でも日経MJやYahoo!ニュース個人のコラム連載など幅広く活動中。著書に『「普通」の人のためのSNSの教科書』『アルファブロガー』などがある

SNSで発信しないともったいない!

 ブログの黎明(れいめい)期からSNS事情に精通している徳力さんは「このコロナ禍において、組織に属するビジネスパーソンこそ、発信しないともったいない」と話します。

 「コロナ禍でリアルな出会いが制限される中、職場の中にしか人間関係ができず、新しい機会が増えない状況に置かれている人もいますよね。SNSで発信することによって、新しい出会いを生む確率を上げることができますし、従来の異業種交流会や飲み会よりもはるかに低いエネルギーでコミュニケーションが可能です。

 また、いつかやりたい仕事のアピールもSNSでできます。インターネットが普及する前は組織人の場合、自分が指名されて仕事が来ることは非常に高い実績を上げた人でないと難しかったのですが、SNSがこれほど発達した現在は、指名されて仕事が来ることが増えています。個人アカウントを上司や他部署の人が見つけてくれてプロジェクトのオファーをしてくれたり、『あなたと仕事をしたい』というお客さんがきたり。書籍化や連載執筆を依頼されたというケースも聞きます。さらには社外の人の目にとまり、ヘッドハンティングのオファーをもらえることも。SNSで自分自身をアピールしたり、オンライン上に人間関係をつくったりと仕事のチャンスを増やすことができるんです」

インフルエンサーのまねは厳禁

 Twitterに投稿すれば万単位でいいねが付くインフルエンサーがいますが、ビジネスパーソンはこれをいきなりまねしてはいけないと徳力さんは言います。

 「職業インフルエンサーと組織に属している人はSNSの活用方法が180度違います。インフルエンサービジネスをやっている人たちはファンを増やして自分の影響力を大きくして、オンラインサロンに入ってもらうなどのビジネスに変換しています。『こんなのはダメだ』などと発言は過激なことも多いです。SNSを見ていると、そういう方が目立つので、お手本にしたくなりますが、彼らは独立して自分の発言に責任が持てるからできるんです。会社の看板を背負っているビジネスパーソンはこうした発言は避けたほうがいいでしょう。まずは組織に迷惑をかけない発信の仕方を学んでください」

 徳力さんに、キャリアアップのための正しいSNS活用について聞きました。