転職ノウハウは世にたくさんあるけれど、今いる会社で市場価値を高める方法は、意外と共有されていない。異動したいとき、評価を上げたいとき、実績を作りたいとき、メンターが欲しいとき‥‥これからのキャリアにつなげるために何ができるのか。今いる会社でできるキャリアの戦略の立て方を探ります。

「異動希望が通った」「評価のポイントの秘策を教えてもらった」「社内人脈はこうしてつくった」……社内であまりシェアされない実体験エピソードとノウハウ。組織の中で、自ら動いて希望の働き方を手に入れたdoors世代3人の座談会(後編)をお届けします。

前編 希望の異動、転勤、昇進をかなえた読者3人の手法を分析
後編 読者実践 評価に直結した面談の言葉、社内人脈の作り方 ←今回はここ
プロフィール

けいなさん(36)
大手ブライダル会社に新卒で入社し、13年働いている。
4年前、夫の転勤に伴い、支社のない地域に行くことになったがリモート勤務がかなう。

れいさん(32)
大手金融機関に新卒で入社し、10年間働いている。10数人の同期の中で一番早く昇格。

ゆかさん(37)
大手航空会社にキャビンアテンダント(CA)として入社。1年で退職し、外資系金融機関に転職。社内公募に手を挙げるも1度目は失敗。2度目で成功。

編集部(以下、――) 一つの会社にいながら、異動や転勤、昇進……と自分の希望をかなえてこられた皆さんですが、自分の市場価値はどのように判断されていましたか?

コミュニティで自分の価値を確かめる

けいなさん 私は女性活躍を推進する外部コミュニティに入っていました。それが大きな刺激になっています。コミュニティには、意欲の高い人が多くて、全く違う業界や職種の人たちとコミュニケーションを取る中で、私もそれなりにイケていると思うときもあれば(笑)、こういうところでスピード感が足りないなと反省するときもある。そういう場に自分を置くことで、自分の市場価値を見定めているのかもしれません。

 結婚や出産のタイミングで自分のキャリアに悩むことがありましたが、このコミュニティのイベントに参加したことですごく勇気づけられました。結婚や夫の転勤をきっかけに働き方を変える決断をしたときも、背中を押してもらえたんです。そこで、自分もコミュニティを運営する側に回りたいと、所属を決めました。それからは、会社という狭い世界だけで自分を判断することがなくなりました。自分の価値を高められる場所は会社だけではないと感じているからこそ、転職をするよりも、今の会社と家庭とコミュニティのすべてを楽しめているんだと思います。

転職する人・してくる人を見て、自分の価値を計る

ゆかさん 私が勤務する会社は外資系金融機関なので、そもそも転職が大前提なんですよね。いつ放り出されるか分からないですし、自分の価値を常にプレゼンテーションできるように備えています

 たまに外部のヘッドハンティングの会社から「こういうポジションが空いています」と連絡がくることもあり、そのタイミングで自分の価値を改めて客観視しています。他にも同期や先輩の転職先、逆に、転職してくる人材を見て、自分だったら次はどういうポジションに行くんだろうとシミュレーション。自分の市場価値を高くするためには、このスキルを身に付けたほうがいいんだなと危機意識は常に持つようにしています。

―― ゆかさんには、前回、社内公募で成功されたお話を伺いました。キーパーソンに近づいて、果敢にアピールされていますよね。どうやってキーパーソンを見つけたのですか?

組織の中で、自ら動いて希望の働き方を手に入れた3人の秘策は次ページから詳しくお伝えします!
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