昇進、転職など仕事の分かれ道に、結婚や出産などのライフイベント…。選択肢が広がれば悩みも多様化、「キャリア迷子」になりがちです。だからこそ、力付けてくれる「メンター」が欲しい! 見つけ方、関係のつくり方のノウハウを、実例を基にお伝えします。

メンターのつくり方

目の前の仕事や社内でのキャリアの積み方に悩んだとき、頼れる先輩に相談に乗ってもらえたら心強い! アクセンチュアでは、全社員に「メンター的存在」として支えてくれる先輩社員が付くのだそうです。「スーパーサポーティブ」な社風を自負し、社員同士がメンタリングし合う密度の濃い仕組みから学べることとは?

「昇格ブルー」から引き上げてくれた相談相手の存在

 所属する公共サービス・医療健康本部でシニア・マネジャーを務める米真由美さんは、入社11年目。20代後半で管理職への昇格を伝えられたときは、プロジェクトを主導していく立場にチャレンジしたいという意欲の半面、不安な気持ちも大きかったそうです。

 「責任が重くなることへのプレッシャーがありました。管理職になったらいよいよ、独り立ちしなければならないんだという思い込みのようなものが当時はあって。困ったことがあっても誰も助けてくれないのだろう、昇格した途端に『リーダーなんだから』と周りから突き放されるのではないか……。そんな先入観がありましたね」(米さん)

 そんなとき、昇格を知ってすぐに米さんに電話をくれたのが、同じ部署の上司、黒木慶比古さんでした。「これから一緒に頑張ろう、いいプロジェクトにしていこう」。その何気ない一言は、孤独を感じていた米さんの胸に強く響いたといいます。

 「『一人じゃないんだ』と思えたことが私にとっては大きかったんです」と米さん。並走して支えてくれるメンターの存在の大切さを実感したそうです。

昇格への不安、出産・育児との両立……さまざまな「壁」に向き合うとき、米さん(左)はメンターである黒木さんの存在を心強く感じたそう

週の半分以上、顔を合わせる「メンター」

 黒木さんが絶妙のタイミングで米さんのモチベーションを引き上げられたのは、普段から密なコミュニケーションを取れる環境を会社として整えているからこそ。アクセンチュアには、社員を支える2つの制度があります。全社員対象のキャリアカウンセラー制度と、管理職への昇格を控えた女性社員(組織によっては男性社員も含む)に支援者がつくスポンサー制度です。

 しかも黒木さんは、米さんの「スーパーバイザー」と「スポンサー」、そして「キャリアカウンセラー」の3役を兼ねている立場なのだそう。

 「週の半分くらいは顔を合わせて一緒に仕事をする上司が、公私の悩みを相談するメンターでもあります」(米さん)

 「会社として最低限決めている面談頻度は四半期に一度以上ですが、こだわっていません。カフェなどを活用することが多いですね。会議室で話すほどかしこまらず、『飲みニケーション』ほど砕け過ぎず……。そんな距離感を心掛けています」(黒木さん)

 メンター制度は設けてあっても、企業風土に合わなかったり、メンターのスキルアップを促す仕組みがなかったりして、形骸化するケースもあります。アクセンチュアでは相談しやすい社風に加え、悩みを受け止めるだけではなく成長へと方向付けるカウンセリングの枠組みも用意。だからこそ、実効性のある形で機能しているといえます。

 後輩に「寄り添う」だけではなく、モチベーションをどう刺激するのか? 次ページからは、黒木さんが活用している、とっておきの5つの言葉を紹介します。自分自身に問い掛けることで、モチベーションを向上させ、前向きな気持ちになれるそう。

問い掛ければ前向きに! 黒木さんが後輩の相談に乗る際に意識している言葉とは?