近年、不妊治療経験を告白する著名人も増えてきた。身近に感じ始めた読者も多い。とはいえ、不妊治療をする6人に1人が離職するというデータもある。「もし自分が不妊治療をすることになったら、何が必要でどう変わるのか」。もしも子どもができなかったら…?という視点も含め、不妊治療とキャリアの両立のリアルを探る特集。

2020年、36歳のときに女性特有の体の変化をサポートするフェムテック企業・WRAY(レイ)を立ち上げた谷内侑希子さん。28歳で第1子を出産後、不妊治療を経験し33歳で第2子を出産。治療と仕事の両立の工夫やパートナーとの関係性を育てる方法について話を聞いた。

谷内さんのInstgramのフォロワー数は約2万5000人。ぶれない人生観や飾らないライフスタイルが多くの支持を集める
谷内さんのInstgramのフォロワー数は約2万5000人。ぶれない人生観や飾らないライフスタイルが多くの支持を集める

 WRAY代表の谷内侑希子さんは、結婚・出産といったライフステージの変化の影響も受けながら、外資系企業勤務やスタートアップ企業の取締役、社会問題の解決を目指した起業などのキャリアを切り開いてきた。30代前半には、約2年間の不妊治療も経験した。

 「体質に合う治療法が見つからず、心身の負担に悩んだ時期もありました。でも、それが理由で仕事を辞めたいと思ったことはありません。もし仕事を辞めて妊娠できなかったらもっと後悔すると思いました」と振り返る。