近年、不妊治療経験を告白する著名人も増えてきた。身近に感じ始めた読者も多い。とはいえ、不妊治療をする6人に1人が離職するというデータもある。「もし自分が不妊治療をすることになったら、何が必要でどう変わるのか」。もしも子どもができなかったら…?という視点も含め、不妊治療とキャリアの両立のリアルを探る特集。

不妊治療をしても、誰もが子どもを授かれるとは限りません。子どもを持たない人生を選択したときには、その事実とどう向き合えばいいのでしょうか? 人気ブログ『妊活は忍活?! アラフォー不妊治療体験記』を運営し、エッセー漫画『私が不妊治療をやめたわけ』を出版した海原こうめさんに、「仕事と不妊治療の両立」「夫婦間の温度差」「費用」「友人や芸能人の妊娠報告への向き合い方」「子どものいない人生を選択した今の心境」などを聞きました。

まさか5年間不妊治療をするとは思わなかった

編集部(以下、――) 海原さんは33歳で結婚し、36歳~41歳まで不妊治療をされていたそうですが、治療を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

海原こうめ(以下、海原) 結婚当初から子どもは欲しいと思っていたのですが、自然妊娠することはなく、気がつけば36歳になっていました。仕事は忙しかったのですが、生理不順や生理痛に悩んだことはなかったので、この頃は自分が妊娠しづらい体質だとは全く思っていなかったんです。

 でもそんなときに、人間ドックで子宮筋腫とチョコレート嚢胞が見つかって。主治医のすすめもあって手術をすることにしたのですが、年齢的なことも考えて、術後は本格的に妊活を頑張ろうと思いました。最初は「不妊治療」というより「妊活」という意識だったので、まさか自分が5年間も不妊治療をするとは思っていませんでした

海原こうめさんが体験した不妊治療
【期間】
・36歳~41歳(約5年)

【内容】
36歳 タイミング法を開始
37歳 人工授精を開始
38歳 人工授精を7回実施後、体外受精(顕微授精を含む)へ移行
40歳 体外受精を8回実施するがリセットが続き、改めて体質改善に励む。体質改善中は、タイミング法、人工授精、体外受精を状況に応じて実施
41歳 12回目の体外受精で、不妊治療をやめる決断をする

【費用】
・約460万円
パートナーのリロさんと不妊治療をスタートさせた海原さん。不妊治療中のネガティブ感情とは、どう向き合ったのでしょうか?
パートナーのリロさんと不妊治療をスタートさせた海原さん。不妊治療中のネガティブ感情とは、どう向き合ったのでしょうか?