あなたはリーダーになりたいですか?それともなりたくない?もし、ある日突然リーダーに任命されたら・・・・・・。現在若手社員にリーダーとして活躍を期待される場面が増えています。いざという時に焦らないためのノウハウやこころ構えをお伝えします。

「リーダーをやってみないか」と言われたら、どう感じる? 「どうせできっこない」「私なんかに務まらない」と感じた人は、リーダー像をステレオタイプで捉え過ぎているかもしれない。TCS(トラストコーチングスクール)認定シニアコーチの安保奈緒美さんに、コミュニケーション特性によるリーダータイプの違いや、各タイプで心掛けるべきコミュニケーションのコツを教えてもらった。

20代でチームリーダーを経験

 経営者や管理職、リーダー層に向けたコーチングを実施している安保奈緒美さん。会社員だった20代のころ、自身も6人ほどのチームのリーダーを務めた経験がある。人材派遣会社で、登録した求職者から希望の就業先などについてヒアリングし、相手に合う仕事を紹介する人材コーディネーターの業務に携わっていたときのことだ。

 求職者の要望にとことん寄り添い、丁寧な連絡を欠かさない姿勢が奏功し、個人の売り上げ目標を36カ月連続で達成するまでに。昇進は、業績が評価されての抜てきだった。

 自身もプレーヤーの一人として現場に立ちながら、部下の育成・指導も担ういわゆる「プレイングマネージャー」の役目だった。敬遠する人も多いが、安保さんは「後ろ向きな気持ちは全くなかった」という。

 「仕事は好きだったし、部下になるメンバーとの関係も良好だったので、不安は少なかったです。リーダーになれば当然、営業成績があまりよくないメンバーに対するフォローも求められますが、そもそも『人と関わること』が大好きだったので、様子を見て声をかけたり、相談に乗ったりすることが負担だとも感じませんでした」

リーダー像に「絶対の正解」はない

 そんな安保さんにも、リーダーとして反省した経験がある。成績好調だった自身のチームについて、他の社員から「『安保さんのチーム』って感じですよね」と言われたときのことだ。褒め言葉にも聞こえるが、そう受け取らなかったのはなぜなのか。

 「部下の営業成績が振るわないとき、私はその分を、自分が営業を頑張ることでカバーしようとしていたのです。そのかいあって、チームは目標を達成し続けられていました。でも、外から見て『私の顔しか浮かばない』と言われるということは、マネジメントとして成功しているとはいえません。メンバー一人ひとりの可能性をもっと生かす方法が知りたくて、そのころからコーチングに興味を持ち、学ぶようになりました」

 現在はビジネスコーチとして活躍する安保さんが強調するのは「リーダーならばこうあらねばならないという絶対の正解はない」ということ。

 「リーダーは決断力がなければならない、完璧でなければならない、自信にあふれていなければならない……そんなふうに思い込んでいる20~30代は多いのではないでしょうか。もちろんそういうタイプのリーダーはいますが、その『強み』の裏側には『弱み』もあるんですよ。実際にはどんな人であっても、リーダーシップを発揮できる可能性を持っています。発揮するための第一歩が、自分や他者をよく見て、その強みと弱みの両面を理解する力を養うことです」

 本記事ではコーチングの理論に基づいて、コミュニケーションタイプ別にさまざまなリーダーのあり方を紹介していく。リーダーになることへ後ろ向きな気持ちを持っている人にこそ、自分自身の可能性を発掘するつもりで読み進めてみてほしい。

この後、詳しく解説していきます!
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