限られた時間でリターンを最大化するために問われるのがタイパ(タイムパフォーマンス)力です。タイパ力を鍛えれば、やるべきことは効率的に短時間で終わらすことができ、自分の好きなことに時間を割くことができます。そこで、タイパ力の達人のノウハウや専門家の知見をご紹介します。

タイパ(タイムパフォーマンス)を追求し動画を倍速視聴する若手が増えているといわれています。若者はなぜ動画を倍速視聴するのか。そして、それによりどんな弊害があるのか。若者の動向に詳しい博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の上席研究員、森永真弓さんに詳しく聞きました。

博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員、森永さん
博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員、森永さん

タイパ追求は悪いことじゃない

 動画を倍速で視聴するなど、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視している20代、30代が増えているといわれている。若者の動向に詳しい博報堂DYメディアパートナーズの森永真弓さんはこう語る。「ひと昔前、大人たちの間でも本の速読をしたり、後書きを読んで本の全容を把握したりすることがはやりました。限られた時間内で効率的に情報を得ようとするという意味では、今の若者の行動もそれとあまり変わりません。変わったのは、以前の情報源は本だったものが、今は動画になっていることぐらいです」

 スマホと共に、YouTubeやNetflix、Amazonプライム・ビデオ、TVer(ティーバー)など、あらゆる動画配信アプリが浸透。これらのアプリには再生速度を速めても音声が通常の高さで聞こえる機能が付いている場合が多い。

 さらに、今の若手がタイパを追求するのは「推し活が要因の一つ」と森永さんは指摘する。