常に時代の先をいく、最前線で活躍しているリーダーたちは、どうやって情報収集しているのだろう。そして、情報をどうやって生かしているのだろう。自分にとっての正しい情報の見極め方は――。各界のリーダーたちに聞きました!

コロナ禍ではネット上で情報が錯そうし、デマによってトイレットペーパーが売り切れるなど大きな影響がありました。元朝日新聞記者で、BuzzFeed Japan創刊編集長、現在はメディアコラボを設立した、ジャーナリストの古田大輔さんに、ネット社会を勝ち抜くために事実を正しく捉える「ファクトスキル」の鍛え方について教えてもらいました。

ネットはリアル社会

 古田さんは2002年に朝日新聞社に入社し、地方支局や社会部で勤務、海外特派員を経て、デジタル版に携わりました。その後、BuzzFeed Japanの創刊編集長に就任し、日本有数のネットメディアに急成長させ、現在はデジタルシフトに取り組むメディアに対するコンサルティングなどを行うメディアコラボの代表を務めています。

 ネットメディアに精通した古田さんは「ネットは今、リアル社会」だと言います。

 「ネットは水や電気などと一緒で、生活インフラだと思います。よくリアル社会とネット社会とを分ける人もいますが、もうネットはリアル社会です。ネットで情報収集するし、買い物をするし、人と出会ってなんなら恋愛して結婚もしますよね。ネット社会できちんと生きていくための方法を身に付けないといけないと私は思っています」

 コロナ禍ではネット上で真偽不明な情報も錯そうしました。

 「世界中でコロナの話題が取り上げられた今年の3月は、ウェブサイトのページビュー(PV)の量が倍になりました。普段、皆さんが消費しているニュースのPVに、コロナ関連のニュースも加わって、みんなが積極的にニュースを読むようになったんです。この先どうなるのか分からない不安でいっぱいのコロナ禍で、情報が自分の身を助けると思ったのでしょう。でも、これは、コロナに限らないんです。

 世界保健機関(WHO)が『インフォデミック』という言葉を使いましたが、これはデマが拡散することを意味しています。実際、「コロナウイルスにはお湯が効く」といった情報や、根拠のない民間療法、トイレットペーパーがなくなるといった、デマがたくさん出回りました。でも普段から情報を見分ける能力がある程度ついていたら、そういうデマにもだまされません。正しい情報を見極めるには、情報を読む力、情報を読む習慣が必要です」

古田さんの情報収集術は次ページから詳しくお伝えします
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