仕事の生産性を最大限に引き出すために欠かせないのが「良質な眠り」です。「若いうちは寝なくても大丈夫」なんていうのは大間違い。20~30代女性は生物学上、眠くて当たり前。十分な睡眠を取って、一日を有意義に過ごすワザを教えます。

日経doorsの女性読者を対象にしたアンケートによると、90.3%が「眠りに関する悩みがある」と回答。自分に適した睡眠時間の長さが分からなくて困っている人も多いようです。でも、睡眠の専門家は「睡眠はそれ自体は目的ではなくあくまでも日常を充実させる手段」と言います。では、どうすればもっと睡眠とうまく付き合えるようになるのか、詳しく教えてもらいました。

大事なのは朝起きる時間を一定にすること

 睡眠に関する著書の多い睡眠のエキスパート、作業療法士・菅原洋平さんは、睡眠時間の長さを考えるより前にやっておくべきことがあると言います。

 「大事なのは睡眠時間の長短ではなく、朝起きる時間を一定にすること。脳には、起床からの経過時間によって分泌される物質があらかじめプログラムされており、起床時間を整えることが、日々の生産性向上につながるのです」

 ……と言われて、いきなり朝5時起きに挑戦してしまう人も少なくない、と菅原さん。「脳は未経験のことを『やれ』と言われるときに一番ストレスを感じます。ですから、過去に自分が目覚めたことがある時間の中で、特にその日のコンディションがよかったと思う時間に、平日の起床時間を設定してください。そして、毎朝、できるだけその時間に起きるようにしてください。どうしてもずれてしまう人でも、前後1時間以内に起きられればOKです。週末は寝坊したいという場合も、平日の起床時間との差は3時間以内にとどめるのが肝要です。起床時間が3時間以上ずれるとイライラしたりやる気が起きにくくなったりしてしまいます」

睡眠に詳しい作業療法士の菅原洋平さんが、次ページから、朝すっきり目覚めるために必須のポイントや、就寝前の過ごし方のコツを説明する
睡眠に詳しい作業療法士の菅原洋平さんが、次ページから、朝すっきり目覚めるために必須のポイントや、就寝前の過ごし方のコツを説明する