環境が変わったり、思いもよらない壁が立ちはだかったりしたときにどう状況をとらえて、乗り越えていけばいいのか。予想外の困難を克服し、成果を出す秘訣をさまざまな業界で働く女性たちの実例から探ります。

コロナ禍で対面を含めたさまざまな活動が制限される中、新卒採用のスタイルにも変化が求められている。採用活動をリモートに切り替える企業が増える中、フルオンライン選考で成果を上げているのが、ソフトウエアのテスト・検証サービスを提供するIT企業のバルテスだ。新卒採用を担当するコーポレートブランディング本部人事戦略部の渡邉舞さんに、オンライン採用活動ならではの課題や成功のポイントを聞いた。

内定後の承諾率は1.7倍に

 ソフトウエアのテストや品質向上支援のサービスに特化したIT企業であるバルテスは、コロナ以前から、地方在住の学生の選考にオンライン面接を導入していた。2021年4月入社の新卒採用では、2020年2月から一部の新卒採用活動をオンラインに移行。緊急事態宣言の発令で社員がテレワークに移行したタイミングで、会社説明会から最終面接までをすべてオンラインで実施する「フルオンライン選考」を始めた。

 新卒採用を担当する人事戦略部の渡邉舞さんは、オンライン選考への当初の懸念点をこう語る。「過去にオンライン面接を実施した際も、最終面接に進んだ学生に、オンラインの際に受けた印象とのギャップを感じることがありました。学生側としても、オンラインでは疑問点などを掘り下げて聞きにくく、会社への理解度が上がらないのではという懸念がありました」

 表情や所作などが分かりにくい選考スタイルでもお互いに対する理解を深めるためにどうすればいいか。試行錯誤の上に、内定後の承諾率を昨年よりも1.7倍に引き上げたノウハウについて話を聞いた。

<新しい採用スタイルで内定承諾率を1.7倍に引き上げた秘訣>1、面接の回数を増やし、複数の人事担当で面接。学生に会社を多角的に見てもらった/2、あえて○○のオンライン説明会を開催/3、人間性に迫る質問を用意 「○○」を聞いた/4、一次面接後に「○○」など「宿題」を提示/より会社について理解を深めてもらった/5、学生に喜ばれる対応 面接後の○○や素早い次ステップへの案内/