環境が変わったり、思いもよらない壁が立ちはだかったりしたときにどう状況をとらえて、乗り越えていけばいいのか。予想外の困難を克服し、成果を出す秘訣をさまざまな業界で働く女性たちの実例から探ります。

コロナ禍で対面を控える動きの中、仕事の幅を制限される職種のひとつが営業だ。電話やオンライン通話による営業活動がうまくいかず、悩んでいる人も多いのではないだろうか。そこで今回は、ゴールドマン・サックス証券で非対面営業を工夫してトップセールスを獲得し、現在はマーケット・フラッグス代表として営業マネジャー向けのコンサルティングを行う原裕平さんに、営業成績を伸ばすためにやるべき習慣、やめるべきNG行動について聞いた。

アメリカでは電話とメールで巨額の取引が成立

 原裕平さんはゴールドマン・サックス証券入社後、国内の債券営業部配属、国内機関投資家向けの債券売買の担当を経て、2006年にニューヨーク本社へ異動。2008年までの3年間、ニューヨークで営業職として仕事をした。本社で実感したのは、同僚たちの非対面での営業スキルの高さだ。「ニューヨーク本社は担当エリアが広く、アメリカの東海岸全体をカバーしていました。距離の問題から顧客と会うことができないため、日本ではありえないような大きな取引を電話やメールだけで行っていました。帰国後にアメリカで得たスキルを日本で実践したら、ほぼ内勤で東京の証券部門でトップを獲ることができたんです

 「コンサルティングの仕事をしていると、コロナのために対面が制限され、顧客との商談がうまく進まないという声をよく聞きます。ただ、コロナの影響は関係なく、顧客の信頼を得る方法や、大きな取引を成功させるノウハウはあります」と原さんは言う。では、原さんは具体的にどんなことを実践してきたのだろうか。

原 裕平(はら・ゆうへい)/マーケット・フラッグス 代表
原 裕平(はら・ゆうへい)/マーケット・フラッグス 代表
一橋大学大学院経済学研究科修了。2001年ゴールドマン・サックス証券入社。03年債券営業部配属、国内機関投資家向けの債券売買を担当。06年ニューヨーク本社へ異動。09年東京オフィスへ。12年に証券部門で営業成績首位となる。13年マネージング・ディレクター。19年に目標を達成する習慣を活用してセールス・マネージャーをサポートするコンサルティング会社、マーケット・フラッグスを設立
<元外資系金融 トップ営業が伝授トップセールスになるためにやるべきこと>1 グッドスピーカーになる/営業に入る前に必ず準備したい3つのこと/・○○/・○○/・○○/2 同僚に自分がやっている仕事について○○/3 長期的な目標から逆算し、○○ごとにやるべきことを明らかにする/○○に今日すべきことを再確認する/<やめるべきこと>1 自分の担当者ではなく、○○に話に行く/2 ○○に強い個性をにじませること/基本は顧客先の業界に合わせる