人生100年時代と言われているなか、一つの仕事でキャリア人生を終えるのはもったいない。そこで、これまでのキャリアと異なる新たなステージを切り開き、輝いている女性たちからそのノウハウを教えてもらいました。

何気なく訪れた街や国で出合ったものが、自分の未来を大きく変えることもある。今回話を聞いたのは、韓国コーディーネーターでライターの東山サリーさん。現在、好きが高じてソウルで暮らす東山さんは、どのように次のステージを見つけ、駆け上がっていったのだろうか。

社会人になって気づく「好き」と「得意」は違った

 韓国の首都ソウルには、おしゃれでフォトジェニックなカフェが散在する。東山サリーさんは、そんな「韓国カフェ」の魅力にハマりソウルに移り住んだ。

東山サリーさん
韓国在住ライター・コーディネーター。韓国カフェの魅力にハマり、ソウルを始め国内で訪れたカフェの数は1000軒を超える。著書に『韓国カフェ巡りinソウル』『KOREA SENSE』(ともにワニブックス)。インスタグラム→@saliy83

 東山さんは福岡県生まれ。幼い頃から絵を描くのが好きで、高校卒業後はデザイン学校へ進学しグラフィックデザインを学んだ。その後、雑誌のデザインを手掛けたいと、地元の編集プロダクションへ入社。しかし、早々にあることに気づく。

 「絵を描くことも、デザインも大好き。けれど『好き』と『得意』は違いましたね。デザイナーとしてのセンスは、あまり発揮できませんでした(笑)。努力不足もありますが、能力がないと思い知り、その後は編集や取材の仕事を担当するように。自分にはこちらのほうが向いていると気づきました」

 3年ほど働いたのち、東京の出版社に転職。このとき、応募したのは編集ではなく広報職だった。

 「取材でさまざまな人の話を聞き、文章を書く仕事は楽しかったです。けれど、次第に『その先』に興味が湧くようになっていました。『自分が良いと思うもの、好きなものを、多くの人に知ってほしい。その手伝いがしたい』。そう思いながら、憧れていた出版社のホームページをチェックする日々を送っていたある日……、広報の求人が出ているのを見つけたんです。

 しかも、求人の必須条件はデザイン学校で学んでいたものばかり。これはチャンス、と大急ぎで出勤前に履歴書を買って記入し、証明写真を撮影して投函(とうかん)。書類選考と面接を経て、無事入社することができました」

 書籍の広報として、忙しく働く毎日。2015年ごろからは、社内で新しい出版メディアの立ち上げにも参画した。

 そんな充実した日々を送るなか、友人と海外旅行に行った東山さん。日本からの移動距離も短く、旅行代金も高くなく、ツアーは自由行動の時間も多い。そう何気なく選んだ行き先のソウルが、東山さんの未来を大きく変えることになった。

ARIAでも同じ内容の特集企画
次のステージの見つけ方
を公開中です!ぜひお読みください!