30代以降もキャリアで自分らしい道を開いている人の多くはなんらかの「学び直し」を経験しているといっても過言ではありません。今後のキャリアに役立つ学び直しのノウハウ、そして頭打ちキャリアを学びによって打開したdoors世代の実例をご紹介します。

キャリアに意欲的な女性たちは、どんな「学び直し」を行っているのでしょうか? 日経xwoman doors読者の3人に、「なぜ学び直しをしたのか?」「学校や講座の選び方と費用は?」「時間管理やモチベーションを保つ工夫は?」「学びをキャリアに生かすには?」といった疑問に答えてもらいました。

オンライン座談会を実施。「学び直し」を無駄にしないコツを語ってくれました
オンライン座談会を実施。「学び直し」を無駄にしないコツを語ってくれました
【学び直しの内容・期間・費用】

佐藤奈緒子さん(35歳)…教育事業を展開する企業の法人営業担当
・内容:MBAスクールに入学。平日夜間1日と土日にオンライン授業を受講
・期間:2年(2020年4月~現在)
・費用:約350万円

伊藤知子さん(35歳)…講座の企画運営コンサルタントや、読書会の主宰、英語塾の非常勤講師などを務めるパラレルワーカー
・内容:通信制大学に入学し、中学・高校の英語教員免許を取得
・期間:4年(2014年~2018年)
・費用:約45万円

加藤朋子さん(37歳)…PR会社・未来イメージ代表
・内容:全5回(1回4時間)のPR講座を受講
・期間:3カ月(2020年3~5月)
・費用:約30万円

「学び直し」のきっかけ&目的は?

編集部(以下、――) それぞれ期間も費用も異なる「学び直し」をされていますが、講座やスクールに通うきっかけ、目的は何だったのでしょうか?

佐藤奈緒子さん(以下、佐藤) 現在は教育事業を展開する企業に勤務していますが、MBAスクールに通うことを決めた当時は、旅行会社の営業部門で管理職をしていました。管理職になる前までは、プレーヤーとして経験と感覚で仕事をしていたのですが、管理職になってからは、取引先の経営層と関わる機会が増え、ビジネスの仕組みを体形的に理解する必要性を感じて。会社経営や事業構造なども理解し、仕事の可能性を広げたいと思うようになり、今の自分に有効な学びがMBA(経営学修士)であると考え、MBAスクールでの学び直しを決意しました。

伊藤知子さん(以下、伊藤) 私は新卒で事務機器メーカーに入社し、グローバルマーケティングの仕事をしていたのですが、20代後半の頃に「私のスキルは今の会社以外で通用するのか?」と感じたことがきっかけです。そして「自分の武器になるスキルを身に付けたい」と考えていたときに、高校時代の恩師に「あなたの天職は教師」と言われたことを思い出し、「せっかくなら手に職を付けたい」と思って、得意だった英語の教員免許取得を決意しました。教師になりたいというよりは、手に職があれば、安心して転職やフリーランスに挑戦できると思ったんです。

加藤朋子さん(以下、加藤) 私はもともと雑誌の編集やライターをしていて、PRや広報の仕事とも関わりが深かったので、それまでの経験を生かして2019年にPR会社を起業しました。PR講座を受講していた2020年当時、会社の経営自体は順調でしたが、経験値をもとに自己流で仕事をしてきたので、PR講座に改めて通うことで、事業をさらに拡大していくきっかけにしたいと思ったんです。

―― 通う講座やスクールは、どのような基準で選んだのでしょうか? 選び方のポイントを教えてください。

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