doors世代にとってあるあるの転職、結婚、人間関係といった悩みについて、人気転職アドバイザー、離婚弁護士、精神科医のTomy先生、お笑いタレントぼる塾のあんりさんなど、さまざまな業界のエキスパートが回答してくれます。

今抱えているモヤモヤや悩みは、できれば今年中にスッキリさせたい! 今回寄せられた悩みは、「自分のやりたい仕事が見つからない」。そこで、オンラインキャリアカウンセリングを提供する「ミートキャリア」代表の喜多村若菜さんに「やりたい仕事の見つけ方」を教えてもらいました。

喜多村若菜さん。1993年生まれ。神戸大学経済学部を卒業後、アクセンチュアに新卒で入社。基幹系システム開発のコンサルティングを経験する。その後、教育系事業の立ち上げに参画し、採用や事業開発に従事。働き方のニーズに対し、選択肢が少なすぎることに疑問を持ち、2019年、ライフステージに合わせたキャリア支援事業を行うfruorを創業。全国からフルリモートで参画する約70名のメンバーと共に、オンラインキャリア相談サービス「ミートキャリア」を運営している。


相談者
小池千夏さん(仮名、24歳、アルバイト)

 現在、印刷会社でチラシ梱包作業のアルバイトをしている小池さん。本当にやりたい仕事が見つかるまでの「つなぎ」として、淡々と仕事をこなす日々だ。

 小池さんはかつて、新卒で携帯電話販売の会社に正社員として就職した。ショップに配属されるも厳しいノルマや長時間の通勤、職場の人間関係に悩んで、体調を崩し数カ月で退職してしまう。

 「お客さんに携帯電話のことを教えたいのに、Wi-Fiや新サービスの電気事業加入のオプションを売らなくてはいけないのが嫌だったんです。しかも、販売員の売り上げは表に張り出されて、毎日数字のプレッシャーがありました先輩も仕事を親身に教えてくれず、『私に聞かないで自分でやってよ!』と言うような人もいて、ギスギスした雰囲気でした。しかも通勤は往復2時間。体力的にも厳しく、体調を崩してしまい、辞めました」

 その後、飲食店で接客業のアルバイトを始めた小池さん。人間関係に恵まれ、約3年続けたが、変化がほしいと感じるようになり、現在は梱包作業のアルバイトをしている。

 「今の仕事は合ってないような気がするのですが、結局自分が何の仕事をやりたいのか分からないんです。年収を上げるよりはやりたい仕事をアルバイトでもよいので見つけて、ゆくゆくは正社員になりたい。接客業の仕事を離れてしまいましたが、もう一度、楽しくやりがいのあった接客業にチャレンジしたいという気持ちもあります。服が好きなので、今はアパレルに興味があります。でも転職サイトや転職エージェントの使い方もいまいちよく分からない。業界の動向もどうやって勉強すればいいのか……。もう二度とブラックな職場では働きたくないんです」

 70人を超えるキャリアカウンセラーを抱え、数多くのキャリア相談を受けているミートキャリアを運営する喜多村さんに「やりたい仕事」や「自分の強み」の見つけ方、うまくいく転職活動の進め方、ブラック職場・会社の見分け方、業界動向を知る方法などを教えてもらいました。

嫌なこと・やりたくないことを先に考える

 「『やりたい仕事は何ですか?』『好きなことは何ですか?』と聞かれて、明確に答えられる方は少ないんですよ。実際、私たちのところにご相談に来る方は『こういうことがやりたくて転職したいです』よりも『こういうことが今の会社では嫌』という話が多い。『好きなこと・やりたいこと』という軸で考えるのではなくて、『今、自分がやりたくないこと』『絶対にこれはやりたくない』ことから考えていくのがいいと思います」