部屋やワークプレイスをすっきりさせることが仕事力アップにつながり、人生が好転するきっかけにもなります。著名人を始め、仕事にプライベートに充実させている人たちがスッキリを保つコツについて聞きました。

年末に向けて、身の回りの断捨離を考えている人も多いのではないでしょうか。一人暮らしの女性に多いのが、クローゼット収納の悩み。『部屋を片づけたいのに、クローゼットから洋服があふれて困っている』という人に向けて、建築士で、整理収納サービス・インテリアコーディネート・ファッションコーディネートなどを手掛けるRe-style代表の伊藤朋美さんに、洋服の片付けのポイントと部屋をすっきりと見せるコツを教えてもらいました。

収納グッズを買い足す前にすること

 居住スペース優先で、狭くなりがちな一人暮らしの収納。中でも、洋服やバッグ、小物など、大小さまざまな形のアイテムを収納するクローゼットは雑然としがちです。欲しいものを取り出したいときにどこへしまったのか分からないということも……。

 整理収納アドバイザーの伊藤さんは、「すっきりと片づいた部屋を目指す上で、ものが多いのは致命的です。急な来客にも慌てず5分で人が呼べる部屋作りに大切なのは、収納スペースに収まりきらないものの数を減らすこと。自分で管理できる量に絞りましょう」とアドバイスします。

 「『雑誌の特集やインスタグラムのテクニックをまねしてみたけれど、うまくいかなかった』という相談内容は多いのですが、持っている量が多過ぎるのが主な原因です。収納グッズを工夫するよりもまず、ものを増やさず暮らしを身軽にする意識が大切です

【STEP1】片づけが苦手な2つのタイプ、洋服を適正量に絞る

 片づけが苦手な人の傾向は、「買い物が多いタイプ」と「捨てられないタイプ」の2つに分けられると伊藤さん。各チェック項目で4個以上当てはまる人は要注意。片づけを始める前に、ものが適正量に収まるように、手放すことを伊藤さんは勧めます。

<買い物が多いタイプの特徴>□トレンドをチェックするのが好き/□毎シーズン、流行アイテムは買っておく/□購入することで満足し、使わないものも多い/□「ランキング1位」「人気」などのお薦めワードに弱い/□スタンプ、ポイントにひかれて買い物をしてしまう/□有名ブランドの限定品、コラボ商品に目がない/□お試しをすると、買わなくてはいけない気になる<捨てられないタイプの特徴>□性格が優しく、優柔不断/□コレクター気質がある/□もらいものや思い出の品は大切に保管しておきたい/□壊れていないのに捨てるのは「もったいない」と感じる/□片づけたいと思っても、いざ始めると手が止まる/□自分にとって何が要るものかがよく分からない/□「いつか使うかもしれない」とよく思う/※伊藤さんへの取材を基に日経doors編集部が作成

 「洋服の適正量の目安は、一人100着です。例えば、直近1週間に着ていた服を振り返ってみると、多くの人が3~4日に1度は同じアイテムを着ているのではないでしょうか。1週間で上下だいたい4パターンに絞られ、組み合わせを変えながら1カ月に着る数は20着程度。季節ごとの衣替えを考慮しても、年間80~100着持っていれば十分着回していけます」

 「実際に数えてみることで、自分が持っている洋服の数が多いのか少ないのかが分かります。衣替えや年末の大掃除の時期は、洋服のストックを見直すベストタイミング。仕事で忙しい女性が丸1日かけて掃除をするのは大変なことですが、週末30分の時間でできる範囲に片づける場所を絞り、必要なものと不要なものに仕分けをする時間を確保することはできるでしょう。一人暮らしの部屋なら4~5回で部屋全体の見直しができます。ものの定位置が決まれば片付けは簡単になるので、1カ月後には5分で片付く部屋を手に入れられますよ」

 次のページからは、要・不要の見極めのコツや収納テクニックを紹介。伊藤さん考案の片付けプランニングシートもあるので、年末に向けて計画を立ててくださいね。

5分で片づく部屋作りをアドバイス/片づけプランニングシートを公開!