親世代の価値観がインストールされてしまい、なかなか一歩踏み出せない、親の顔色を見てしまい自分の本音とは違う選択肢を取ってしまう……こうした行動パターンがキャリアや結婚に影響を及ぼしている可能性があります。専門家に聞いた親との正しい距離の取り方、実際に親の呪縛から抜け出した実例をご紹介します。

『お母さんから自由になれば、結婚できる。』などの著書がある、表参道で結婚相談所を経営する大安ケイコさん。自らの経験や相談所に訪れる女性のお悩みから「婚活がうまくいかないのは親との関係に問題があるからです」と話します。実は自分の恋愛観や結婚観に大きな影響を与える「母との関係」。大安さんに母からの呪縛を解き、自分らしい幸せな結婚をするためのステップを教えてもらいました。

大安ケイコさん。1968年生まれ。渋谷区・表参道の結婚相談所『ハピ婚相談所』代表。11年間の婚活を経て31歳で結婚するも9カ月で離婚。その2年後に再婚し、現在は結婚19年目をむかえる。自身を否定してくる親との関係を見直し、自らの結婚観を変えた経験から結婚相談所を立ち上げ、会員の成婚者数は500人を超えている。会員の2人に1人が結婚する高い成婚率を保持。著書に『お母さんから自由になれば、結婚できる。』(ディスカバー)がある。
大安ケイコさん。1968年生まれ。渋谷区・表参道の結婚相談所『ハピ婚相談所』代表。11年間の婚活を経て31歳で結婚するも9カ月で離婚。その2年後に再婚し、現在は結婚19年目をむかえる。自身を否定してくる親との関係を見直し、自らの結婚観を変えた経験から結婚相談所を立ち上げ、会員の成婚者数は500人を超えている。会員の2人に1人が結婚する高い成婚率を保持。著書に『お母さんから自由になれば、結婚できる。』(ディスカバー)がある。

母との関係に問題がある

 渋谷区・表参道の結婚相談所「ハピ婚相談所」を運営している、代表の大安ケイコさん。恋愛や結婚に悩む女性からの相談はこれまでに1万件を超える。大安さんは「婚活がうまくいかない女性は母との関係に問題がある傾向が多いです」と話します。

「私の両親は子どもたちの前でよくけんかをしていました。父には怒鳴られたり殴られたり……。母には『人生は苦労の連続』『お前はわがままでひねくれているから結婚できないよ』と否定されることばかりを言われてきました」
「私の両親は子どもたちの前でよくけんかをしていました。父には怒鳴られたり殴られたり……。母には『人生は苦労の連続』『お前はわがままでひねくれているから結婚できないよ』と否定されることばかりを言われてきました」

母の基準になってしまっている

 「婚活アプリでなかなか決まらなかったという女性がよく相談所に来られます。相談所では必ず最初にカウンセリングで家族について聞くんです。お父さんとお母さんはどんな人でしたか、子どもの頃どんなふうに接してもらいましたか、嫌なことはありましたかなどと深掘りしていきます。男性観や結婚観の見つめ直し、自分を見つめ直すためのワークをやってもらうんです。そこで、自分の男性に求める条件が母の基準になっているケースが非常に多いんです。

 結婚できない女性によくあるのが、男性のスペックをあまりに重視すること。年収や社会的地位、身長、家柄や住んでいる場所など、自分が男性に求める条件が厳しすぎる。自分の基準だと思っていたのに、実際は母に認めてもらえる相手なのかどうかという基準で選んでいる女性がほとんどです。お母さんの『こういう男性と結婚しなさい』、逆に『こういう男性はダメよ』という言葉が無意識のうちにすり込まれているんです」

 男性のスペック以外にも男性の行動一つひとつに対して、ジャッジしてしまうことも。

 「食事で割り勘にされたからダメ、お店のドアを開けてくれなかったらダメ、レストランで奥の席に座らせてくれなかったからダメ、デートに5分遅れたからダメ……。そうやって男性を厳しい目で見てしまう女性は母に厳しく育てられてきたんです。例えば『時間を守らないとダメでしょ』と小さい頃から叱られてきた。母基準で相手を選んでしまっているんです」

 さらに母と父との関わり方も恋愛観や結婚観に大きな影響を及ぼすと大安さんは話します。次ページからは幸せな結婚をするために婚活で気をつけること、母との上手な距離の置き方を大安さんに教えてもらいました。