年末年始に読んでおきたい「お薦めの本」を紹介する特集。第1回は、ディスカヴァー・トゥエンティワンを設立し、取締役社長として、書店との直取引で業界随一の出版社に育て上げた干場弓子さん。「本の目利き」である干場さんが選んだ「人生を変えた1冊」とは?

干場弓子/ディスカヴァー・トゥエンティワンCo-founder・取締役社長
干場弓子/ディスカヴァー・トゥエンティワンCo-founder・取締役社長
愛知県立旭丘高等学校、お茶の水女子大学文教育学部卒業。世界文化社『家庭画報』編集部などをへて、1985年、ディスカヴァー・トゥエンティワン設立に参画。自ら編集者としても、勝間和代氏ほか多くのビジネス系著者を発掘、さまざまなシリーズを立ち上げてきた。近著に『楽しくなければ仕事じゃない』(東洋経済新報社)がある

中学生時代に出合った文学作品

 「人生を変えた1冊は何ですか?」と尋ねると、ディスカヴァー・トゥエンティワン社長の干場弓子さんはクスッと笑って話し出しました。

 「そうね、あれは中学校の頃だったかな。河出書房の『世界文学全集』に全3冊であった『風と共に去りぬ』。緑色のカバーに、クラーク・ゲーブル(レット・バトラー役)とヴィヴィアン・リー(スカーレット・オハラ役)の絵が描いてある帯がかかっていてね。自分で買って夢中になって読みました」

 後になって本作の映画も見た干場さんが、この作品から学んだことは何だったのでしょう。

写真の『風と共に去りぬ』(マーガレット・ミッチェル著)は、干場さん宅の書棚にあったものを撮影
写真の『風と共に去りぬ』(マーガレット・ミッチェル著)は、干場さん宅の書棚にあったものを撮影