年末年始に読んでおきたい本のオススメを紹介する特集。第2回は、doors読者なら知らない人も少ないだろう、プラットホーム「note」などのウェブサービスを運営しているピースオブケイクの加藤貞顕さんだ。起業前は編集者として、毎日3冊以上の本を読んでいたという本好き。そんな加藤さんが選んだ「人生を変えた一冊」は、50年前に亡くなったある女性の日記だった。

加藤貞顕/ピースオブケイク代表取締役CEO 1973年生まれ。大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。アスキー、ダイヤモンド社で編集者として勤務。累計発行部数280万部を記録した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(岩崎夏海著』や『マイ・ドリーム バラク・オバマ自伝』『ゼロ(堀江貴文著)』(いずれもダイヤモンド社)などの編集に携わる。2011年にピースオブケイクを設立し、2012年にコンテンツ配信サイト「cakes」、2014年にはクリエイターとユーザーをつなぐ「note」をリリース、アクティブユーザーは月間2000万人を超える
加藤貞顕/ピースオブケイク代表取締役CEO
1973年生まれ。大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。アスキー、ダイヤモンド社で編集者として勤務。累計発行部数280万部を記録した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(岩崎夏海著』や『マイ・ドリーム バラク・オバマ自伝』『ゼロ(堀江貴文著)』(いずれもダイヤモンド社)などの編集に携わる。2011年にピースオブケイクを設立し、2012年にコンテンツ配信サイト「cakes」、2014年にはクリエイターとユーザーをつなぐ「note」をリリース、アクティブユーザーは月間2000万人を超える

 「この本、引っ越しをするたびになぜか手放せなくて、26年間我が家の本棚に残っているんですよ」――加藤貞顕さんが取材当日、持ってきてくれたのは、一冊の文庫本『二十歳の原点』

加藤さんが持ってきてくれた『二十歳の原点』。「確か最初は、大学生の頃に友人から借りて読んだのかな」。めくるページの紙は色あせていて、年季が入っている
「確か最初は、大学生の頃に友人から借りて読んだのかな」。めくるページの紙は色あせていて、年季が入っている

 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」――こんな一節から始まる『二十歳の原点』は、学園紛争が盛んだった1969年、栃木県出身で立命館大学の学生だった高野悦子という一人の女性が、大学2年の20歳の誕生日から、大学3年の20歳6カ月で自殺するまでの学生生活を記した日記です。

 自身も20歳の頃に読んだという加藤さんが、26年間この本を手放さなかった理由とは何だったのでしょう。