コロナ禍も3年目へ。さまざまな制限が課される中でも、着実に夢を形にしていった人がいます。くじけそうになる心を抱え、どう夢の実現に動いたのか。さまざまな登場人物から、目標を達成させるための至極のノウハウをご紹介します。

昨年、行政書士事務所を立ち上げ、起業を考えている女性の支援をする南部成美さん(37歳)。転勤族の夫と24歳で結婚したのを機に、大手損保会社を辞め、通信講座添削などの在宅ワークを10年ほどしていた。33歳で夫と別居後、正社員としての再就職を考えるも就職試験は難航、派遣社員として働き始める。そして、コロナ禍で行政書士とFP2級の資格に挑戦。一人で9歳と4歳の子どもを育てながら、わずか4カ月で2つとも合格を果たした南部さん。夢をかなえた驚きの勉強法を聞いた。

一人で9歳と4歳の子どもを育てながら、わずか4カ月で行政書士、FP2級に合格を果たした南部成美さん
一人で9歳と4歳の子どもを育てながら、わずか4カ月で行政書士、FP2級に合格を果たした南部成美さん

結婚後、自分のキャリアにモヤモヤ

 大学卒業後、大手損保会社に入社し、学生時代から交際していた男性と24歳で結婚した南部さん。出産を機に会社を辞め、転勤族の夫に同行し、日本各地を転々とする生活に。その間2人の子どもにも恵まれるが、自分のキャリアにモヤモヤすることもあった。

 「転勤族だと、子どもを保育園に預けづらいんです。例えば、7月に転勤すると、年度途中なので転勤先の保育園に空きはありません。どこに転勤しても保育園に入りづらくて、結局自宅で子どもの面倒を見ることに。在宅でできる通信講座の添削などをやっていました。思い切り働きたくても働けないというもどかしい気持ちを抱えていましたね」

 南部さんが33歳のとき、夫と別居することになった。新卒で働いていた大手損保会社に正社員での復職を考えたが、キャリアのブランクがあったため、採用試験に応募することができず、派遣社員として働き始めた。

 「夫との別居、引っ越し、再就職活動、一人での子育て……。いろいろとうまくいかなくて、どん底で、弁護士さんや行政書士さんにお世話になりました。『法律が守ってくれますからね』と言われてすごく救われたんです。『自分もいつか法律を勉強して、誰かを助けられる仕事がしたい』と強く思いました。10年間ほど思ったように働けなかったという自分の経験から、女性の働き方の選択肢を広げたいとも思い、行政書士を目指すことを決めました」

 お金の知識も必要だと感じ、行政書士に加えてファイナンシャルプランナー2級の資格にも挑戦することにした南部さん。わずか4カ月間の勉強で、2つの資格を取得し、昨年5月に自身の行政書士事務所を立ち上げた。派遣社員として働き、9歳と4歳の2人の子どもを一人で育てながらの勉強は「とにかく時間がなかった」と振り返る。南部さんの効率を極めた勉強法は次ページから詳しくお伝えする。