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わたしたちの「働く×産む」特集
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35歳以上の妊活は効率も意識を 専門医から産みたい人へ

数値で見る35歳からの妊娠の確率、2021年1月から拡充の最新・不妊治療費助成制度

仕事は続けていきたいけれど出産はどうすればいい? 20代で母になるとは? 30~40代の不妊治療とは? さまざまな事例や年代別にいつか産むためにすべきこと、不妊治療のリアルを紹介します。

わたしたちの「働く×産む」特集

30代後半になってから妊活を始める可能性がある人は、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。中には現在の自分の生活に満足し、ライフステージが一変する「妊娠・出産」に対して具体的なイメージを持てていない人もいるでしょう。10年以上、キャリアを地道に築いてきたからこそ、予測やコントロールが難しい変化の要素には慎重になるものです。生殖医療専門医で、神田ウィメンズクリニック院長 清水真弓さんに、30代後半からの出産の実情と、これから出産を望む女性がしておいたほうがいいことを聞きました。

 厚生労働省『人口動態統計』(*1)によると、2019年の第1子出産の平均年齢は30.7歳。出生総数86万5234人のうち、母親の年齢が35歳以上の場合の出生数は、25万1849人と約3割を占めています。35~39歳で出産を経験した人のうち、第1子出産の割合は32.9%、40歳以上では36.1%と、35歳以上で第1子を授かる人は少なくありません。

 一方、気になるのが、年齢とともに増える妊娠・出産のリスク。

 「キャリアと出産のベストタイミングを見極めるのはとても難しいです。正解はないといってもいいでしょう。ただ、現実的に、妊娠できる確率は30代前半までは20代とそれほど変わりませんが、35歳以降大きく低下していきます。それに反比例するように流産率は上昇し、妊娠・出産に伴うあらゆるリスクが高くなるのも見過ごすことのできない事実です」と、神田ウィメンズクリニック院長 清水真弓さんは話します。

 特集の第6回「宋美玄 仕事×妊活タイミング 知っておくべき年代別行動」で紹介したように、妊娠したいと思ったタイミングが35歳までの場合、1年の間自然妊娠を試みても授からなければ不妊治療を始めるのが一般的な妊活スケジュール。

 35歳以降では、自然妊娠を試す期間は半年間程度までにするのが望ましく、40歳以降はできるだけ早めに不妊治療専門クリニックの初診の予約をするなど、加齢とともに「不妊治療」に移行させるタイミングは早いほうがいいとされています。カップルの5.5組に1組は不妊治療を受けたことがある(または、現在受けている)といわれており、今や不妊治療は決して特別な治療ではありません。

 不妊治療は一般的に、<STEP1>タイミング法、<STEP2>人工授精、<STEP3>生殖補助医療と3段階のステップで行われます。排卵日を診断して性交のタイミングを合わせるタイミング法、内服薬や注射で卵巣を刺激して採卵を起こさせる排卵誘発法、洗浄濃縮した精子を子宮に注入する人工授精などの「一般不妊治療」を行い、一般不妊治療で妊娠しない場合には、卵子を取り出して体の外で精子と受精させてから子宮内に戻す体外受精や顕微授精などの「生殖補助医療(ART)」へとステップアップしていきます。

 「不妊治療の治療計画も、年齢によって変わります。不妊症のカップルが妊娠する確率は、タイミング法の場合、妊娠率が1周期あたりで約4~5%。人工授精は体外受精と混同されることが多いのですが、男性の精子を容器に取って調整し、元気な精子だけを直接子宮に注入していくという方法で、その後、受精から妊娠に至るメカニズムは自然妊娠と変わりません。この方法によって、妊娠率が8~10%程度まで上がるといわれています。お子さんが欲しい35歳前後の方でも、不妊の原因となる生理不順や性感染症、子宮内膜症などの病歴がある方は、自然妊娠のお試し期間を6カ月待たず、早めに受診されるといいと思います」

<不妊症(※)カップルの一般的な治療計画&ステップアップ>【34歳まで】タイミング法3~5回⇒人工授精3~5回⇒体外受精/【35~39歳】人工授精3回程度⇒体外受精/【40歳以上】できるだけすぐに体外受精を検討(人工授精を行う場合は1~2回後)/※妊娠を望む健康な男女が、避妊をしないで性交渉をしているにもかかわらず、1年間妊娠しない状態のこと/※資料提供:神田ウィメンズクリニック

 「体外受精は『身体的な負担が大きく、高額な割になかなか妊娠しない』と敬遠する人もいるかもしれませんが、体外受精による胚移植の妊娠率は、全国平均で22.7%(顕微授精による胚移植の妊娠率は18.2%)です(*3)。私が担当した患者様では、年齢別における胚移植あたりの妊娠率は34歳以下で66.7%、35~39歳で51.3%、40歳以上で22.2%(2017年実績)。できるだけ早い時期に初診に来ていただければ、妊娠率はそれほど低くはありません。こうした点から、ここ数年は初めから体外受精を希望する女性も増えていますね

 次のページから、数値やデータを基にした30代後半からの妊娠・出産、不妊治療のリアルと、2022年4月からの保険適用拡大までの暫定的措置として、今月新たに拡充された特定不妊治療費助成制度の改正内容について紹介していきます。

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