激動の2020年、それでも活躍しつづけた人は何をやめて、何を始めていたのか。そして、新たな2021年、どんな目標や抱負を胸に抱いているのか。各界で輝く人にその心中を語ってもらいました。

大ヒットしたNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』の脚本家の山田佳奈さん。脚本家だけでなく、劇団「□字ック」の主宰、また演出家、映画監督、女優とさまざまな顔を持つ。2020年には長編初監督作品となった映画『タイトル、拒絶』(伊藤沙莉主演)が公開された。2020年を振り返ってもらいつつ、多忙な中で始めたこととやめたこと、今後の展望などを伺いました。

コロナ禍で書き上げた初書籍

日経doors編集部(以下、――) 2020年を振り返っていかがですか?

山田佳奈さん(以下、敬称略) 新しいことにたくさんチャレンジしました。一番大きかったのは自分が監督した映画、『タイトル、拒絶』の公開です。2018年に作り上げ、2020年にアウトプットされたという形でした。

 初の小説『されど家族、あらがえど家族、だから家族は』もコロナ禍の間で書き上げましたね。舞台現場の延期・中止が決まったので、小説を書くことに専念して、自分に向き合う作業になりました。2020年は新しいものたちの一区切り、次のステップとなった1年でした。

山田佳奈
山田佳奈
1985年神奈川県出身。専門学校卒業後、レコード会社のプロモーターを経て、10年に劇団「□字ック」を旗揚げ。自ら脚本、演出を担当する。16年、映画『夜、逃げる』で監督デビュー。19年、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』で脚本を担当。20年に初の長編初監督作品となる『タイトル、拒絶』が公開された