貧弱な食事を続けると、将来思わぬ大病になる

 野菜・果物中心、低カロリーの食事では、必要な栄養素が足りないことが分かりました。しかし、本当に恐ろしいのは、「栄養素不足」「カロリー不足」ではありません。今後の日本の働く女性の健康脅威は「糖尿病」、そして「ロコモティブ・シンドローム(以下、ロコモ)」だと警鐘を鳴らします。

 まずは糖尿病。「働く女性の、(1)朝食欠食、(2)おやつ過多、(3)栄養の偏り、(4)アルコールの摂取、(5)運動不足、(6)睡眠不足――は糖尿病の条件を満たしており、これらが習慣化してしまうと糖尿病になるリスクを確実に高めてしまいます。実際に、妊娠を機に糖尿病になる女性も増えています」(細川さん)

 続いて、骨や関節などの運動機能・移動機能にトラブルが生じるロコモ。「デスクワークの女性は、ロコモになるリスクが高くなります。実際にまるのうち保健室で20~30代の女性を対象にロコモ度テストしたところ、内勤女性を中心に約3割が該当しました。若くとも慢性的な運動不足や栄養の偏りにより、運動機能の低下が始まってしまっています。食事は人生への投資と考え、できるだけバランスを重んじ、普段から階段を意識して使うなどすると良いでしょう」(細川さん)

 また、自己流の過度な食事制限は言うまでもなく禁物。過去に1日の摂取カロリーが女性の基礎代謝を下回る1000kcal未満という極端なダイエットをしたことがある人は、基礎代謝が下がって「低摂取カロリーで過ごしていける体」になってしまい、食事量を増やしたところで、基礎代謝が8年経過しても戻らないというアメリカの調査報告もあります。

 「過去に軽い気持ちやファッション感覚で試したダイエットが、数年後に貧血、冷え、目まい、無月経といった症状を引き起こすこともあります。妊娠・出産ともなれば、低出生体重児など、自分の子どもにも影響するかもしれません。『食べる』ということは、それほど大事な問題なんです」と細川さんは訴えます。

 漫然と空腹を満たすのではなく、「自分の体に必要な栄養素は何か」を意識することが大切。「ぜひ、ニュートリションコスト(栄養コスト)の高い食べ物を食べるようにしてください」(細川さん)

 これからは人生100年時代といわれています。先の長い人生、せっかくなら寝たきりではなく、健康的に楽しみたいですよね。ダイエットや食費の節約に励むあまり、必要な栄養素を取れずに健康を損ねては元も子もありません。

 「食事のコスト」よりも「ニュートリションコスト」に目を向けたいものですね。

聞き手・文/三浦香代子 イメージ写真/PIXTA