5色バランスを意識して食べる

 「20~30代でピークを迎えた後は、加齢とともに低下していきますので、減少を緩やかにする習慣が大切です。実は今、妊娠・出産・授乳を機に骨折をする女性、『妊娠後骨粗しょう症』になる女性が増えています」(細川さん)。これはショッキングな話です。

 「あまり知られていませんが、女性は授乳によって骨密度が低下します。通常は離乳とともにV字回復し、骨はさらに強くなることから、男性と違って女性は成人後に骨を強くできる生き物なのです。ところが、痩せ女性の増加、終戦直後を下回るエネルギー摂取量、慢性的な運動不足など、妊娠前から骨密度が低い傾向にある女性が増えている可能性があり、結果的に妊娠・出産・授乳を機に骨粗しょう症を発症してしまいます。日経ウーマンオンラインの読者世代こそ、要注意世代なんですよ」(細川さん)

 お姉さん世代も要注意です。「女性は平均49歳で閉経を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンが欠乏し、骨密度が低下するため、若いうちから栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう」(細川さん)

 そして、骨量や骨密度の対策として、細川さんは朝ごはんの重要性を挙げています。

 「まるのうち保健室の調査では、『朝食を食べる人・多様な食材を食べる人』は、『朝食を欠食する人・外食派の人』に比べて、骨密度が高い傾向にありました。なるべく旬の食材を取り入れ、5色のバランスを意識して食べるとよいですね」(細川さん)

 5色のバランスは「赤(まぐろ、牛肉、鮭、にんじん)」、「黄(卵、味噌、かぼちゃ)」、「黒(ごま、わかめ、しいたけ)」、「緑(ほうれんそう、ブロッコリー、ねぎ)」、「白(豆腐、白身魚)」といった食材を食べることで整えられます。

食材の5色のバランスを意識しよう
食材の5色のバランスを意識しよう
赤・黄・黒・緑・白の5色を意識してみるとバランスを取りやすい。「赤」…まぐろ・牛肉・鮭・にんじんなど、「黄」…卵・味噌・かぼちゃなど、「黒」…ごま・わかめ・しいたけなど、「緑」…ほうれんそう・ブロッコリー・ねぎなど、「白」…豆腐・白身魚など

 食材一つひとつを確認して、「たんぱく質はお肉」「ビタミンAはにんじん」「ビタミンDはきのこ」などと考えるよりも、簡単に実践できそうですね!

 ただ、中には忙しくて自炊は無理、どうしても外食や中食になってしまう人もいるかもしれません。その場合は、「なるべく食品添加物に注意して」と細川さんはいいます。

 「インスタント食品などに含まれるリン酸塩は、摂り過ぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。リン酸塩はハム、ベーコン、ソーセージにも含まれるので、リン酸塩が無添加のものを選ぶとよいでしょう」(細川さん)

 身近で手軽なハムやベーコンにも、カルシウムの吸収を妨げる食品添加物が入っているとは盲点ですね。