オフィスのおやつとして食べてもOKなものは?

 デスクワーカーは、お菓子の食べ過ぎによる糖質の過剰摂取に要注意という細川さんの話ですが、いきなり「おやつ断ち」をするのはつらいものです。細川さん、どうにかおやつを食べることはできないものでしょうか。

 「おやつは本来『補食』といって、不足しがちな栄養素を補う軽食を意味しています。もしオフィスで食べるなら、働き女子がもっとも不足させている食物繊維やタンパク質、ビタミンB群、鉄分などを意識しましょう」(細川さん)

 栄養を意識したおやつならいいのですね。具体的にはどんなものを食べてOKなのでしょうか。

 「具体的には、200mlパック1本で3g以上の食物繊維が取れるアーモンドミルク飲料やこんにゃくゼリー、鉄分も補えるプルーンなどのドライフルーツ、ナッツ類など。同じヨーグルトでも、ギリシャヨーグルトにすると効果的にたんぱく質を補うことができます。たんぱく質は調理スキルや食費によって摂取量にかなり差がついてしまうため、おやつで取ることを強くおすすめします。他に、甘栗や海藻スナック、干し芋、寒天などもイチオシです。チョコレートなら腸内環境を整える働きがある植物性ポリフェノールを含むビターチョコレートにしましょう」(細川さん)

 こういったおやつならコンビニでも手軽に入手できます。少量が袋に入った食べ切りサイズもありますね。

ナッツやドライフルーツなら食物繊維やミネラルを補うことができます (C)PIXTA
ナッツやドライフルーツなら食物繊維やミネラルを補うことができます (C)PIXTA

 「それに、たんぱく質を補うなら、生クリーム控えめのプリンやスティックチーズケーキもOK。ピュアココアを豆乳で割ると、豆乳のたんぱく質だけでなく、ココアに含まれるカカオポリフェノール、鉄分、食物繊維も取れるので女性にとっての『総合栄養食』になりますよ」(細川さん)

 意外に食べてもよいおやつが多くて、ホッとしました! 食べる分量は1日に200kcalまでなら、食事の妨げとならないそうです。

健康のためにやめるべきおやつ

 では、反対に「やめるべきおやつ」はあるのでしょうか?

 「控えたほうがよいのは焼き菓子ですね。市販のクッキー、マフィンなどにはトランス脂肪酸が含まれるマーガリンが使われています。トランス脂肪酸の過剰摂取は、排卵障害を引き起こして不妊のリスクを高めるということがハーバード大学のウォルター・ウィレット教授の研究で報告されています。女性は特に注意が必要です。どうしても食べたい場合は、トランス脂肪酸不使用のものを選びましょう」(細川さん)

 差し入れに多い焼き菓子ですが、注意が必要なおやつの一つでした!

 また、揚げたおやつも注意が必要なのだとか。「フライドポテト、かき揚げ煎餅、ポテトチップスなど植物油で揚げたおやつは、酸化した油を体内に取り入れることになります。食べるときは緑茶やココアなど抗酸化効果が高いドリンクを一緒に飲むと、予防策になりますよ」(細川さん)

 ただ、おやつや食事は「食べる楽しみ」でもあるため、無理にやめる必要はないと細川さんは言います。

 「完全におやつ断ちをすると、ストレスがたまり、反動でドカ食いをしてしまうのが心配です。週に2回までは自分の好きなものを食べてもかまわないと思います。その代わり週に5日間は『自分の未来を支える正しい食事』をして、健康の基盤をつくりましょう!」(細川さん)

 今日の自分の一口が、未来の健康をつくっている。せっかく食べるなら、体に良いものを取り入れたいですね。

文/三浦香代子 写真/PIXTA

 ところで、今回記事中で紹介しているデータを計測した「まるのうち健康室」は、丸の内の女性749名の健康状態を調査した企画ですが、今度は、京都で展開されることになったそうです。期間は6月8日~10日(要予約)。

 体組成やヘモグロビン、肌状態、腸内環境などを調べることができ、毎日の健康習慣の定着をサポートしてくれる折り地にある手帳が提供されます。また細川モモさんによるセミナーが予定されているので、お近くにお住まいのかたはぜひ参加してみてください。

◆関連サイト
京都保健室