「多所属で無所属」が、軽やかに生きる秘訣

 どんなに価値観の合う友人も、一緒にいる時間が長くなればなるほど摩擦は起きやすいもの。また一つのコミュニティーにずっと所属していると、どうしても視野が狭くなりがちです。

 私自身、会社員時代に、ある強力な権力を持った先輩に嫌われたことで、「もうここでは生きていけないかもしれない」と思い詰めたことがありました。実際、仕事上で不利になるようなことも何度もされて、当時は毎日「どうやったら関係を修復できるのだろうか」と考えて眠れませんでした。けれどその後、他業界に転職したところその先輩を知っている人は一人もおらず、気持ちが楽になったのを覚えています。

 一つの場所だけに依存していると自分の世界が狭小になり、結果、常に人間関係に失敗することにおびえたり、プレッシャーを感じやすくなってしまうと思うんです。

 そこでおすすめしたいのが、「無所属」でいること。

 ここで言う無所属とは本当にどこにも所属していないという意味ではなく、いろんなコミュニティに所属している結果、どのグループの色にも染まらないという意味での「無所属」です。

 例えば会社以外にスポーツのサークルやご近所の仲良しグループ、趣味の仲間など複数のコミュニティーに所属することで、どこかで受けたストレスを発散できますよね。また、あるコミュニティーでトラブルを起こしてしまったとしても、他に所属しているグループが複数あれば、問題を深刻化せずに済むはずです。

 そういった意味では、ネット上のコミュニティーサービス「オンラインサロン」もおすすめです。私も一つサロンを運営していますが、こういった会員制のサイトは体温のある交流ができる一方で、嫌になったらいつでもやめられる気軽さもある。そのため人間関係にプレッシャーを感じることもないですし、義務などもなく、自分の好きな深さでコミュニティーに依存できるので、コミュニケーションに自信のない人にとっては練習の場にもなると思います。こうして「いつでも自分の意志次第で離れられるけど心地いい関係」を複数持っておくことが、自分自身を楽にする方法ではないでしょうか。