肩書を否定することは、生き方を否定すること

 「作家」という肩書に対して「本を出しているのだから作家と名乗ってもいいのでは?」という意見もありましたが、「お前なんか作家じゃない」「賞も取っていないのに作家を名乗るなんて恥知らずだ」と罵るようなつぶやきもたくさん来ました。それを見てとても嫌な気持ちになりましたが、自分自身、その不快感の出所がうまく言葉に出来ませんでした。そんなとき、とある方の「肩書はその人の志だ」というつぶやきを見て、怒りの原因が腑に落ちました。

 肩書とは、「自分はこうやって生きていきたい」という希望や向かう先を記した看板なんですよね。

「私にとって肩書とは、『自分はこうやって生きていきたい』を表す看板です」
「私にとって肩書とは、『自分はこうやって生きていきたい』を表す看板です」

 だからこそ、「お前なんか作家じゃない」という言葉を掛けられたとき、私自身の「この先ずっと文章を書いていきたい」という志を否定された気持ちになって、傷ついたのだと思います。

 肩書きを気にしない人にとっては、きっとどうでもいい議論でしょうが、不用意に人の肩書きを否定することは、その人の意志、ひいては生き方まで否定することにつながるのだと思います。