共感にはポジティブな共感とネガティブな共感があると思うのですが、こういった「ネガティブ共感」を必要以上に使う相手が近くにいると、元気を吸い取られてしまう気がします。

 こういうときは、「でも、頑張りましょうね!」みたいにポジティブな言葉で締めて、みんなでやる気を高めたいな、と思います。人は言葉に引きずられるから、少し言い換えたり、言葉を加えるだけで空気って変わると思うんです。

 ネガティブな話題は簡単に盛り上がることができて楽だし、「一緒に苦楽を共にする仲」といった親密な空気も醸しやすい。でもそればっかりでつながると、いい関係にはなれないと思います。

 「疲れた」「会社が嫌だ」みたいな話や上司の悪口といったネガティブなことでつながっているような関係には未来を感じません。そういうことを言った後で「だからこう変えていきたい」という話ができる人が、私は好きです。

「一緒にいると疲れる人」は、ネットにもいる

 こういった相手を疲れさせる人は、ネットの世界にも多いんです。その代表的な振る舞いとしては、愚痴しか投稿しない人。

 世の中のネガティブな面しか見ようとせず、批評家気取りですべての物事に対してシニカルに構えている人は、現実でも爆発することが多い気がします。

 もしタイムラインを読んでいるだけで気分が下がるような人がいれば、その人をフォローするのを見直すべきかもしれません。無意識に眺めているだけでも知らず知らずのうちに影響を受けてしまうものだと思うので、リアルだけでなくネットの環境も整えていくことが、ヘルシーな精神を保つことにつながるのではないでしょうか。

 リアルであれネットであれ、「一緒にいると疲れる人」「テンションを下げる人」と思われないよう、自分自身も相手の気持ちや距離感を大事にしなくてはいけないと日々感じています。

聞き手・文/小泉なつみ 写真/稲垣純也 イメージイラスト/PIXTA 取材日:2017年8月30日