ファンとアーティストは互いに応援し合う関係

 私は、一人の人間として冷静な目線で自分と相対してくれるような人がファンであってほしいと思います。

 友達に対しても好きなところと苦手なところがあるように、相手のすべてをやみくもに崇めるのではなく、応援の気持ちと同時に、対等な目線でバランスよく物事を見るセンスを持ち合わせている人が、理想のファンであるような気がします。

 最近SHOWROOMという生配信を始めたのですが、そこでは初心者の私に対して、すでにユーザーだった視聴者の方が、SHOWROOMの使い方・楽しみ方を丁寧に教えてくれるんです。そのとき、こういうのってすごくいいなと居心地のよさを感じて。一方的に与えたりもらったりではなく、双方向の関係が築けています。そこの視聴者の人たちは皆、すごく近くに感じられるけど、フランクになり過ぎず、敬意を持って温かく接してくれる人たち。理想の空間がそこにあって。イベントとはまた違う、ファンとの距離感が新鮮で、おかげで生配信にはまっていますね。

 また、なんにも行動をしない人をファンと呼んでいいのかというと、難しいところです。例えば、図書館で私の本を読んでもらえるのもうれしいのですが、本を一切買ってくれないと私は執筆活動が継続できません。いくらツイートを読んでくれたり、知ってくれたりしていても、見ているだけの応援は、私には届きません。思いを声でも形でもいいから届けてほしいです。また、いいと思ったものをお金を出して買ってもらうこともものすごく大事です。それが活動のエネルギーになりますから。

 一方で、「はあちゅうのファンは、はあちゅうの言うことは全部聞く」と、ファンをゆがめて見てくる外部の人たちにもモヤモヤさせられます。そういった人たちは私が主催するオンラインサロンやセミナーを「信者ビジネス」という言葉で冷やかしてくるんです。

 でも、ファンとアーティストやインフルエンサーの関係って、一方的にファンが搾取されているわけじゃない。

 私はファンの方の応援をいつもありがたく受け取っていますが、同時に、私がファンの皆さんを応援したいという気持ちも常にあります。同じ価値観を共有している仲間だという思いがありますから。