独立2年目 毎月一定額を支払うのは怖い

Fさん(自営業、35歳、独身、一人暮らし)
手取り月収:18~40万円/月により変動
貯蓄額:300万円/会社員時代にためたもの
フリーランスになって2年目。仕事が安定するまでは貯蓄を切り崩すことになるのではと考えている。

「毎月決まった金額を支払い続けるのは少し不安……」 (C)PIXTA
「毎月決まった金額を支払い続けるのは少し不安……」 (C)PIXTA

「iDeCoを始める条件」を決めておきましょう

[風呂内亜矢さんのアドバイス]

 独立して2年目ということなので、仕事が軌道に乗るまでは無理にiDeCoを検討しなくてよいと思います。掛け金があまりに少額だと、手数料負けしてしまうことがあるからです。老後資金としてiDeCoを活用するのであれば、「この条件がそろったら始めよう」と目安をつくっておきましょう。

 自営業の方の老後資金の準備としておすすめなのが「小規模企業共済」です。個人事業主など、自営業の方が退職金を準備する意味合いの制度で、最低1000円から始めることができます。基本的に元本割れはありません。

 そしてもう一つ、国民年金に付け加える形の「付加年金」もおすすめです。国民年金保険料に月400円プラスして払うことで、納付月数×200円が年額で上乗せされ、将来受け取る年金を増やすことができます。

 小規模企業共済月1000円+付加年金400円=月1400円は、できれば頑張って始めたいところです。

 今後仕事が軌道に乗ってきたら、小規模企業共済の掛け金を増やしていくとよいでしょう。上限金額は年間84万円です。それを所得から差し引いても、さらに黒字が出る状況になり、その状況が今後3年くらい続く見込みが立った段階でiDeCoを始めるのがいいと思います。

【ポイント】

・仕事が軌道に乗るまでは無理にiDeCoを始めないこと
・自営業の人の退職金として、小規模企業共済を月1000円以上で始めよう
・iDeCoの始め時は、小規模企業共済を年間84万円払った上で黒字が出るようになってから

聞き手・文/西山美紀 写真/PIXTA イラスト/田中小百合