【拭き取り化粧水を使う】

慶田さん判定 ⇒ ×(あまりおすすめしません)

読者の声

洗顔はせず、拭き取り化粧水で拭くだけです。(38歳、NPO・団体職員、学術研究・技術サービス)

夏は洗顔フォームを使い、冬は拭き取り化粧水。「皮脂は時間の経過とともに酸化が進み、くすみや老化を促進してしまう」という化粧品会社のブログを見て、朝も必ず皮脂をリセットするようになりました。(31歳、情報通信、企画)

慶田さんアドバイス

 汚れや皮脂を落とすのはいいことなのですが、拭き取り化粧水を洗顔の代わりにすると、肌をこすりがちなので注意が必要です。皮脂や化粧油類は、洗浄剤を使うと優しく落とせます。どうしても忙しい朝に使いたい、手放せない、という方は、できるだけ優しく、こすらないようにしてください。

【蒸しタオルで拭く】

慶田さん判定 ⇒ △(皮脂を落とし過ぎる可能性も)
蒸しタオルを顔周りに当てて、朝からリラックス (C) PIXTA
蒸しタオルを顔周りに当てて、朝からリラックス (C) PIXTA
読者の声

朝はホットタオルで顔を拭くのみ。顔全体の筋肉が緩んで、温かくなります。すぐに化粧水をつけるとモチモチになります。(32歳、製造、研究開発)

朝はあったかい蒸しタオルで軽く顔を拭いた後、拭き取りの化粧水+保湿+メイクをしています。化粧乗りがいい気がします!(30歳、情報通信、営業・マーケティング・営業事務)

電子レンジでオイルを垂らしたホットタオルを作り、顔を拭きます。パックのように蒸らしたり、目の周りを上から少し押したりして、最後に拭き取ります。(35歳、サービス、販売・接客)

慶田さんアドバイス

 蒸しタオルは、皮脂量が多く、しっかり落としたい場合や、目を覚ましたいときにおすすめの方法です。一方、汚れや皮脂はよく落ちますが、落とし過ぎてしまう可能性も。また、タオルで顔を拭く際に、肌をこすってしまいがちです。

 「蒸しタオル+拭き取り化粧水」は、やり方によってはこすり過ぎで、バリア障害を生じるリスクがあります。オイルを垂らしたホットタオルは、汚れをしっかり取り、目を覚ますにはいい方法。ただ、熱い蒸しタオルはバリアを壊しやすいので、肌をこすらないよう注意してくださいね。

【朝の洗顔はしない】

慶田さん判定 ⇒ ×(朝は洗顔をおすすめします)

読者の声

コットンを水でぬらして目、鼻、口の周りを拭くだけです。化粧水や乳液も使いません。時短だし、乾燥もありません。(27歳、教育・学習支援、専門職)

朝は洗顔をしません。目やにが気になるときはぬらした指で取りのぞきます。もう何年もこの方式です。そのほうが潤う気がするし、ニキビなども特にありません。(34歳、保険、営業事務)

慶田さんアドバイス

 朝に洗顔しないと、24時間分の皮脂が夜まで残ることになります。角層の刺激になり、ニキビが出やすくなったり、キメが乱れたりすることもあります。皮脂量が減る70代以降なら問題ない可能性もありますが、読者の皆さんにはぜひ洗顔してほしいですね。

 現在洗わなくても問題ない、という人は、もともと肌のバリアが丈夫なためでしょう。優しくぬるま湯で洗うようにすると、よりよい肌状態に変わると思います。

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 乾燥肌にオイリー肌、皮膚の薄い人……と肌の状態は千差万別。自分の肌質に合った洗顔方法を取り入れて、肌状態をよりよくしたいですね。

文/三浦香代子 写真/PIXTA

この人に聞きました
慶田朋子
慶田朋子(けいだ・ともこ)さん
銀座ケイスキンクリニック 院長。東京女子医科大学卒業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。美肌に役立つスキンケアなどの分かりやすい解説に定評がある。近著に「365日のスキンケア」(池田書店)がある。