毎月金額を決めて計画的に貯蓄している?

 それでは貯蓄するために、みなさんどのような工夫をしているのでしょう。老後の生活資金について不安に思っている人で最も多かったのは「毎月金額を決めて計画的に貯蓄している」(29.2%)です。続いて「食費(外食含む)や光熱費などの基本的な生活費を節約している」「毎月の生活費の残りを貯蓄している」「家計簿をつけている」となりました。みなさん堅実に工夫していることが分かります。

 「あなたがお金にまつわることで悩んでいることをお答えください」という質問には、「老後の医療費や介護費がいくらかかるか分からない」が37.3%で最多となりました。いつまで健康でいられるか分からない、病気になったときにどうなるのか。そうした点に不安に感じている人が多いようです。また、老後の生活資金について不安に思っている人は「貯蓄ができないのではないか」「年金をもらえないのではないか」などについても悩んでいます。

Q.お金にまつわることで悩んでいることは?
Q.お金にまつわることで悩んでいることは?

 ここまでの調査結果で、老後の生活資金に関してさまざまな不安をみなさんが抱えていることが分かりました。

 老後だけでなく、長い人生には、結婚、住宅購入、子育て、予期せぬ病気などいろいろな出来事があります。すべてを見すえて資金計画を立てるには、金融、税制、不動産、住宅ローン、生命保険、年金制度などの幅広い知識も必要です。これらの知識を備え、いわば「家計のホームドクター(R)」のような存在がFPですが、「FPの有資格者に相談したことがあるか」と尋ねたところ、1割が「相談したことがある」と回答しました。

 相談したことのある人にきっかけを尋ねると「保険の加入及び見直しの時期だったから」と答えた人が半数以上の51.6%となりました。次に多い回答は、「老後が心配だから」(21.4%)、「子どもの教育資金が心配だから」(15.9%)となりました。

Q.FPの有資格者に相談したきっかけは?
Q.FPの有資格者に相談したきっかけは?

 「住宅購入や保険見直し、家計見直しなど目前に具体的なテーマや問題が発生している場合は、FPに相談しようと考える方が多いようです。しかし、今後のライフプランにおいて、問題が発生する前に問題が起きないようにすることが大切。まずは早めに問題が起きそうなところを把握しておきましょう。その後は、子供の進路選択や卒業、仕事が変わる、収入が変わるなどライフステージが変わるタイミングに相談すると安心です。また、いつでも相談できるようにFPとの関係を構築しておくといいと思います」(FPの黒澤佳子さん)。