「1年以内に健康診断を受診していない」3人に1人以上
最近1年以内に健康診断を受けたか聞いたところ、「受診した」人は63.6%でした。3人に1人以上は健康診断を受診していない状況が明らかになりました。
50代では72.1%が受診しているのに対して、30代では半数近くが受診していません。非就業者は就業者に比べて、受診した人の割合が20ポイントも低いことが分かりました。
乳がん検診率はさらに低下
乳がん検診に絞ってみると、最近1年以内に「受診した」人は38.0%にとどまっています。年代別に見ると、年代が下がるほど未受診の割合が高く、30代で7割以上、40代で6割、50代でも半数以上が未受診という結果でした。
過去に乳がん検診を受けたことがある629人に、初めて乳がん検診を受けた年齢を聞いたところ、40歳未満が59.2%、平均では35.9歳となりました。
乳がん検診を受診しない理由は「経済的な負担」「面倒」
最近1年以内に乳がん検診を受診しなかった620人に、その理由を尋ねました。多いほうから「金銭的な負担が気になる」(36.1%)、「面倒だと感じる」(30.6%)、「自分のことは何となく後回しになっている」(24.2%)でした。また、「自覚症状がないので、自分は受診の必要がないと考える」と誤解している人も21.5%いました。
併せて1年以内に乳がん発見のための乳房セルフチェックをしたか聞いたところ、「した」人は45.5%にとどまっていました。初めてセルフチェックをした年齢の平均は34.6歳でした。
がんなどの大きな病気に対して備えが必要なことが分かっていても、なかなか実践に至っていない実態が明らかになりました。予防のための生活習慣、早期発見のためのセルフチェックや検診、治療に専念するための経済的な備え、エンディングノートへの情報の集約……できるところから少しずつ行動に移していきたいですね。
文/佐々木恵美 写真/PIXTA