血のつながった家族でも金銭感覚はバラバラ

 意外に多かったのが、家族や親族との金銭感覚の違いに関する悩み。一緒に暮らしてきた両親や兄弟姉妹の価値観が、実は自分と全く違うこともあるようです。

親と価値観が違うのは世代のせい? (C) PIXTA
親と価値観が違うのは世代のせい? (C) PIXTA

戦後生まれで年金暮らしの母は、物不足の時代を生きてきたのでいろんな物が捨てられないとのこと。でも自炊をせず高くつく総菜ばかり購入したり、効果がないと化粧品をコロコロ変えたり、運動をしないでエステにいったりと、本人の努力はあまりなくお金で解決しようとします。毎月仕送りをしている私としては、無駄遣いはしてほしくない。お金の使い方にギャップを感じます。(38歳、サービス、専門職)

アクティブに投資すべきだと私は考えていますが、親世代は貯金や節約を重視していて意見が異なります。生きてきた時代が違うので仕方のないことですが、少しでも分かり合えるように周りの状況を説明しています。(33歳、サービス、技術職)

兄だけ金銭感覚が違って困っています。兄夫婦と食事をするとき、私たち夫婦と兄嫁は「高い!」と思っても、彼には普通。それならご馳走してほしかった……。旅行にも誘われましたが我が家には絶対ムリな価格帯。その後、兄夫婦は離婚しました。(42歳、サービス、経理・一般事務)

読者のトラブル回避策

 相手も自分も、価値観をすぐには変えられません。相手が大切な人であればあるほど、悩みは大きくなってしまいます。できれば大ごとになる前に対策を練っておきたいものですが、どうやってトラブルを回避すればよいのでしょうか?

学生時代の友人と会うときは、基本的に1対1で会って相手に合わせます。複数で集合するときは、カフェなどオープンな場所で、子連れOK、キャッシュオンデリバリー感覚で利用できるお店を使用しています。(44歳、保険、研究開発)

初めから交際費の予算を高めに設定している。その分、昼食代を浮かしてお昼ご飯はお弁当持参が基本。会社の人には家庭的に見られて思われて印象が良くなっていると思う。(33歳、建設、人事)

正直に「何が普通か分からないけど私はこう思う」と伝えて和解を図る。(24歳、公務員、企画・一般事務)

人付き合いはお金がかかるもの。断りづらくなると大変なので、頻繁に連絡を取るのは避けて、食事などにもあまり参加しないようにしています。行ってみたい所には一人で行くし、基本家でのんびりしているほうが好きなので、部屋を充実させています。家具にこだわる・食器にこだわる・紅茶にこだわるなど。(39歳、サービス、接客)

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 読者の皆さんからのコメントを全体的に振り返ってみると、夫婦間や親しい友人同士での価値観の違いに悩んでいる人が大勢いました。「この人ならきっと分かってくれる」と思う相手だからこそ、違いに気付いたとき悩んでしまうのかもしれません。もし意見がぶつかりそうになったら、トラブル回避策を参考にしてみてください。

文/華井由利奈 イラスト/PIXTA