被災地の役に立ちたいと思うようになった

 復興庁によると、原発事故の影響などで、いまだに避難生活を送っている方が全国で17万4000人もいるそうです(平成28年2月12日現在)。継続的に被災者や被災地の課題について知ることが大切です。

東北の農産物を購入するようになりました。私は放射能検査のされた商品ならば問題ないと判断しています。被災者の方々の支援となるよう、これからも購入していきたいと思っています。(26歳)

東北に旅行などでも足を運ぶことが多くなりました。皮肉だけれど地震の後、東北地方がより身近になったように思います。(28歳)

東日本大震災からの復興をテーマにしたラジオ番組を、FMノースウェーブで毎週金曜に聞いています。(33歳)

被災地に援助しに行きたくても、行くためのお金がない。自分自身に余裕がないと人を助けることもできないことを痛感しました。(23歳)

心が強くなった

 震災の経験を経て、精神的に強くなった人も。仕事などで行き詰まっても、乗り越える力が湧いてくるそうです。

震災時は10時間ほどかけて家に歩いて帰りました。少しのことでは愚痴など言わなくなりました。というより、気にならなくなりました。(29歳)

震災直後の4月に入社し、一生懸命働こうと決めました。今でも震災のニュースを見ると頑張ろうと思います。(27歳)

大学の同級生が亡くなりました。地元に戻って、一生懸命働いていたはずです。そのとき就職活動がうまくいかなくて、ぼんやりしていた自分は何をしているのかと、ハッとさせられました。契約社員を続けながらもあきらめずに試験を受けて、正社員として採用されたのが、その2年後。特別に仲が良かったわけではないけれど、仕事などで行き詰まると彼女のことを思い出します。頑張らなくてはと奮い立ちます。(29歳)

「ルーティン」を大切にするようになりました。震災前と変わらず、コツコツ働き続け、貯金も続け、できるだけ毎日同じことをするようにしています。生活リズムを一定にすることが、どんな状況にも左右されず、自分を失わないことだと感じたからです。作家の村上春樹さんは、趣味のランニングについて「走り続けることが“悪魔祓い”になる」と講演会でお話されたそうです。ルーティンを守ることで心が安定するのだと思いました。(35歳)

あなたは何を行動に移しますか?

 3.11を振り返ってみて、いかがでしたか。被災地支援や防災の備え、そして貴重な日常を、何を大切にして生きていくか……。節目となるこの機会に、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

文/越智理奈